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第30夜:高橋林平のこけし

Rinpe_kao

10月も中旬となり秋晴れの中にも朝夕は肌寒さを感じるようになった。この千夜一夜も(Ⅰ)が完結して(Ⅱ)へと移ってきたが、筆者の好みで掲載しているため、まだまだ未紹介のこけし(工人)も多い。そんな中から、今夜は遠刈田系の高橋林平のこけしを紹介しようと思う。口絵写真は、林平の表情である。

先ずは、「こけし辞典」から、林平の略歴を紹介しておこう。高橋林平は明治33年4月10日、遠刈田の生まれ。大正4,5年に佐藤広喜について木地修業を始める。大正7年からは正式に養成工として北岡工場で働く。製材が専門であったが玩具類も多少作った。昭和16年軍属として工作隊に入り各地を回ったが、その間木地も続けた。昭和24年より宮鉱山で働き、26年からは農業に従事したが、37年5月6日に逝去。63歳。こけしは殆ど作らなかったが、昭和17年頃、蒐集家の要請で少数作った。

Rinpe_3men

こちらが本項の林平のこけしである。大きさは7寸3分。文献等に掲載されている林平のこけしは殆ど17年作であるが、よく見ると趣が異なる2種類に分かれるようだ。1つは「こけしの世界」、「こけし 美と系譜」「こけし辞典」に載っているもので、丸頭で目が中央に寄ってきっちりと描かれており、剛直な感じを受ける。もう1つは「原郷のこけし群」に載っているもので、頭はやや角張った縦長で眉目はゆったりと描かれており、情味のある表情となっている。本項のこけしは後者と同様の作風である。胴の上下には赤と紫を組み合わせたロクロ線を引き、その間にぼた菊を3つ重ねて描いている。「原郷のこけし群」の林平は胴模様が4段の重ね菊になっている。

Rinpe_hikaku

さて、林平のこけしは師匠の広喜を伝承したものではなく、広喜と豊治をミックスしたような感じであると評されているので、豊治のこけし(左)と並べて見た。同じぼた菊模様なので比較し易いのではないだろうか。豊治は昭和16年頃の作と思われるが、このこけしでは目の大きさがかなり異なるため明らかな類似性は見て取れないようだ。

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