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第41夜:秀顯さんの岩太郎型(製作に至るまで)

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「こけし辞典」の『大沼岩太郎』の項に4本の写真が載っている。元村勲教授が大正年間に鳴子で岩太郎として入手したものと記されている。大沼岩太郎のこけしと称されているものは他に3本あり、それらは大沼秀雄さんと桜井昭寛さんにより復元されている(千夜一夜Ⅰの第365夜~367夜参照)。しかし、この元村岩太郎は小寸の2本を除いて復元されていなかった。そのため、10年程前に秀雄さんに復元を依頼したが、その後日が経ち秀雄さんも高齢になられたため難しくなっていた。今回、秀顯さんが4本の内、一番大きなこけしを復元したので紹介したい。口絵写真は、その岩太郎型の表情である。

秀雄さんによる復元が難しくなってから、今度は秀顯さんに復元の話を持ちかけた。秀顯さんは作らないとは言わないものの、暫くはなかなか気が乗らない様子であった。ここ数年、秀顯さんは一筆目のこけしを精力的に作っており、その出来がなかなか良いことから、元村岩太郎を作る条件は整って来たように思われた。そこで、昨年、元村岩太郎の4本の写真のコピーを送って製作(特に一番大きなもの)を依頼した。昨年は秀顯さんと会う機会が多く、その度に催促めいた話をしていた。今年9月の全国こけし祭りに、この岩太郎型が出品されたことは、迂闊にも知らなかった。しかも、第3位の林野庁長官賞まで受賞したのである。後日それを知って、秀顯さんに連絡をし、出品作と同時に作った岩太郎型(5本作った内の残り1本)を確保してもらい、新たに岩太郎型3本を作って貰って、それを昨日横浜人形の家にて受け取ることが出来た。


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こちらの写真、左が全国こけし祭りに出した時に作った初作5本の内の1本、右は今回新たに作って貰った岩太郎型(第2作)。大きさは1尺(こけし辞典の記載から)。胴がかなり太く、ボリューム感に溢れた堂々たるこけしである。写真からの復元なので、どの程度「原」に近いかは定かでないが、見た感じは良い出来である。左の初作では、胴の菊模様が下がり気味なので、そこは修正されていて、胴模様のバランスはとても良くなった。秀顯さんの一筆目は定評があり、この岩太郎型でも良い雰囲気に仕上がっている。

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こちらは、上の2本を左右から撮ったものである。

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今回作って貰った3本である。まだまだ手慣れたものではなく、1本1本、写真と見比べながら作ったそうだ。特に胴模様は写真が鮮明ではないため、試行錯誤的な面もあり、まだまだ改良の余地はありそうだ。今後、この岩太郎型がどのように変化していくのか楽しみなことである。

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