第46夜:二代目虎吉のこけし(2)
昨日の東京こけし友の会の入札には、心惹かれるこけしが多々あった。出品数は13点で、大きさも8寸前後と手頃であり、保存状態も完璧に近いものが多かった。友の会の例会入札は入札者が例会出席者に限られ、一札入札であるため競り合いによる価格の上昇は無く、最低価も低く抑えられているため、程々の価格で良品が入手出来るのが嬉しい。入札結果は3点に入札して2点を落札することが出来た。今夜はその内、二代目虎吉のこけしを紹介しよう。最近の友の会例会には、二代目虎吉の良品が度々出品され、今回の作も素晴らしいものであった。口絵写真は、その表情である。
初代虎吉の優作は、こけしを本格的に作り始めた昭和15年から16年頃に多いとされ、大きな頭に三角胴の明敏なこけしである。二代目虎吉もその時期の初代虎吉こけしの写しを作っており、筆者渇望のこけしでもある。その1尺ものに関しては千夜一夜(Ⅰ)の第988夜で紹介している。但し、そちらは胴のロクロ線が紫であり、有色材の胴の色に吸収されたようで鮮やかさに欠ける。今一つ満足度に欠けるものであった。
こちらが、今回友の会例会入札で入手したこけしである。大きさは8寸5分。木地が地梨と思われ保存状態は完璧である。緑のロクロ線が鮮やかであり、一番下に引かれた1本の紫ロクロ線が絶妙のアクセントになっている。大きさと云い、ロクロ模様と云い、また明敏な表情と云い、初代虎吉の優作を彷彿される出来栄えで、国恵志堂満足の1本となった。
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