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第52夜:茂吉か実太郎か…

Mokiti_atama

今年も残すところ1日となった。この「こけし千夜一夜物語」(Ⅰ)も4月に念願の1001夜を達成し、5月には100万アクセスも突破することが出来、記念すべき1年となった。これも本ブログを読んで下さった皆様のお蔭と感謝している。この千夜一夜物語(Ⅱ)も、来年以降引き続き、愛読して頂ければ幸いである。さて、今夜は南部系こけしの3夜目として、煤孫家のキナキナを取り上げてみよう。口絵写真は、戦前のキナキナである。

Mokiti_2hon

この2本のキナキナは戦前の煤孫家の作と思って入手したものである。共にヤフオクで入手したものであるが、出品者は別である。大きさは同じ6寸。同じような雰囲気のキナキナであり、一方は帯入りで他方は帯無ということで2本並べて見るのも面白く入手した。同時に出品されていたこけしの年代から、共に昭和15年前後の戦前作と判断した。戦前作である場合、それが茂吉の作であるか息子の実太郎の作であるかは大いに関心のあるところである。
茂吉は昭和26年頃まで作っており、一方の実太郎は大正期から作っているから、二人が同時に作っていた時期はかなり重なるのである。描彩の無いキナキナという性格上、その違いは木地の形で判断するしか無く、署名など無い戦前の作の場合、その判別は困難であるようだ。

Mokiti_3hon_hikaku

Mokiti_3hon_soko_hikaku

左は「実太郎」との書き込みがある8寸。昭和20年代の作かと思っていた。真ん中の作は底に何の書き込みも無いが、形態は左の8寸とよく似ている。戦前作では、実太郎作も茂吉名義で出ていたということであるから、真ん中は実太郎の可能性が強い。右は胴底に「花巻木形子」とだけ書かれている。帯び無しの場合、帯付きより形態上の特徴が出難く、しかも茂吉の帯無しの真作が明確でないため、より判断は難しい。

最後に、一年間、本ブログをご愛読頂き、ありがとうございました!

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