第55夜:定雄のペッケ
箱根駅伝の復路も青学大の圧勝となり、往路・復路を合わせて一度もトップを譲らない完全優勝となった。全10区間中の6区で区間賞をとり、復路の6区では1年生が区間記録タイで2位になるなど世代交代にも配慮した原監督の手腕には脱帽である。さて、これで駅伝三昧の正月も終り、明日からはいつもの生活が戻ってくる。今夜は弥治郎ペッケの3回目、新山定雄を取り上げよう。口絵写真は定雄のペッケの表情である。
こちらが定雄のペッケである。大きさは5寸。新山定雄は明治41年、弥治郎の生まれで、久治郎の4男である。大正10年に高等小学校を卒業後、兄久治について木地修業をし、こけしも作った。大正14年に上京して運転手に転業、昭和27年に木地を復活。30年より本格的にこけしの製作を始めたが、35年より病で休業状態となり、昭和56年5月29日、83歳で没した。戦前作は残っておらず、戦後作もあまり多くは作っていないようだ。本作は底に50才との署名があり、昭和33年の作である。胴の括れたペッケであるが、胸部は小さく裾部が大きな木地形態である、裾の赤線が2本の山形であるのが、兄たちとは異なる。頭は平頭ではなく丸型で、大きなクリクリ目が愛らしい。
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可愛らしいペッケ。
可愛いこけしに出会うと涙が出てきてしまうのはナゼ?(年かな・・・)
今年も宜しくお願いいたします!
投稿: ピノ助 | 2016年1月 4日 (月) 17時32分
ピノ助 様
それだけ感受性が強いということですよ(笑)!
よろしくお願い致します!
投稿: 国恵 | 2016年1月 6日 (水) 22時02分
今年も、よろしくお願いします。
初歩的質問で恐縮です。
話題「ペッケ」の意味と、語源を教えてください。
投稿: egucci | 2016年1月20日 (水) 17時48分
egucci 様
こちらこそ、よろしくお願い致します。
「ペッケ」は弥治郎系の小寸こけし(5~7寸)で、木地は作り付け、首に鉋溝が入り、胴が括れたものを言い、
新山一家や小倉一家のこけしによく見られます。ペッケの語源はペケで屑という意味のようです。
投稿: 国恵 | 2016年1月20日 (水) 18時46分