第76夜:安藤勇亀のこけし
先日、楽語舎を訪れた折、1本の細長いこけしが目に付いた。安藤勇亀のこけしである。勇亀のこけしは、友の会の例会の中古こけしで見かけたこともあったが、あまり知られていないこけしであり、また18才との署名もあることから取り上げて紹介することにした。口絵写真は、その勇亀こけしの表情である。
安藤勇亀の経歴などを調べるために最新の「伝統こけし最新工人録」を見てみると、休業・廃業などの未掲載リストに載っており、生年月日は昭和42年3月16日となっている。従って現在は49歳ということになる。「Kokeshi Wiki」には、勇亀の項目は無いが、父安藤勇の項目に『昭和58年より長男の勇亀が弟子となって木地の修行を始めた』と記載されている。こけしの写真は、「東北のこけし」に平成2年の作が載っている。
こちらが、今回の勇亀のこけし。大きさは6寸3分、ペンシルこけしと言っていいような細いこけしである。頭頂部だけの黒頭、集中度の強い小さな二側目に丸鼻と笑口。胴は上下に2本ずつの太い赤ロクロ線と細い緑ロクロ線を引き、間に重ね菊を描いている。裏模様には牡丹が大きく描かれている。父勇の師匠丑蔵の湯田こけしを引き継いだこけしになっている。
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