第67夜:小寸こけしの魅力(英一)
昨夜の繋がりで今夜も肘折系(湯田)のこけしを取り上げたい。先日、数本のこけしを入手する機会があり、その中に追加して手元に来たものである。2寸1分の豆こけしであるが、その存在感、特に得も言われぬ表情にすっかり魅せられてしまった。湯田のこけしであろうことは何となく頭に浮かんだが、豆こけしであることもあって直ぐには誰の作か分からなかったが、小林英一のこけしとのこと。口絵写真はその表情である。
小林英一は大正6年、湯田の生まれ。小林辻右衛門の次男である。佐藤丑蔵が辻右衛門の工場で働いていたことから、見取で木地を覚えた。色々な職業に就きながら、こけしも時々作った。昭和22年10月18日逝去。享年31歳。こけしは継続的に作った訳ではないが、昭和8~12年の第1期と16年~18年の第2期がある。
こちらが本項のこけしで、大きさは2寸1分、第2期の作と思われる。四角い頭の作り付けで胴裾部が広がった形態である。胴はロクロ線のみであるが、太い赤線を主体に緑と紫の細線を絡め、間には黄色を塗っているようである。
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