第80夜:「是伸頒布会」第3回裏話
先日、「柿澤是伸特別頒布会」第3回、第4回の頒布を行ったので、今夜は第3回頒布こけしの製作経過をお話ししたい。第3回頒布の「原」こけしは、橘文策著「木形子談叢」に掲載されている盛こけしである。橘氏が昭和7年9月末に鳴子を訪問し、岡崎斎の店頭で見付けたもので、盛の古型として入手されたものと記されている。昭和7年時点で古型と称していることから、正末昭初頃に作られていたこけしと言う事だろうか。このこけしは同じく橘文策著の「こけしと作者」にも再掲載されている。口絵写真は、その写しの表情である。
この写しについては、ちょうど一年前の3月に試作品を少数作って貰った(写真左)。「原」こけしは保存状態が悪く、描彩も緑色は殆ど消えているため、是伸さんの見立てで作って貰ったものである。木地形態はかなり「原」に忠実に作られているが、描彩については是伸さんが作っていたこけしを参考にしている。そのため、赤い鬢飾りが2筆、鬢の下部が3筆、胴の菊模様の花弁がくっ付いている等の差異が見られた。左から2本目は今年の1月、「原」をじっくり見て作って貰ったもの。鬢飾り、鬢の下部等は改善され、胴の菊模様も古風になってきたが、下膨れの頭の形や肩の大きな盛り上がりなどに改善の余地が残った。また、胴上部の添え葉が殆ど見えなかったので無くなっている。そこで、「談叢」の写真のコピーを添え、改善点を指摘して作られたのが、今回の頒布品(右から2本目)である。右端の「原」こけしと比べて、頭と肩の形が修正され、木地形態は満足のいくものとなった。また、描彩も胴上部の添え葉が復活し、菊の花弁も一枚ずつ離れて古風な雰囲気が出て来たが、筆の違いのせいか、無雑作に描いたような「原」のざっくり感は今一つというところであろうか。
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