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第91夜:梅木修一さんの最新作

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山形の梅木修一さんからこけしが届いた。今年の正月、修一さんが直美さんの実演・販売に合わせて上京した折、依頼したものである。修一さんも87歳となり、今は直美さんの木地取りと木地指導に精魂を傾けている。そんな時期に復元という面倒な仕事を頼んでしまい恐縮していたが、律儀な修一さんは忙しい中時間を見つけて復元作を作ってくれた。今夜は、そのこけしを紹介したい。口絵写真は、その復元こけしの表情である。

国恵志堂が工人にこけしの復元(写し)を依頼する時は「原」こけしをお貸ししてお願いするのが原則ではあるが、今回は文献写真による依頼であった。岡長(岡崎長次郎)型一筋にこけしを作ってきた修一さんは、岡長の各年代の目ぼしいこけしは既に殆ど作っている。そんな中で気になっていたのが、武井武雄著「愛蔵こけし図譜」に載っている岡長のこけしであった。修一さんは、この愛蔵図譜の岡長は未だ作っていなかった。昨年、ヤフオクに正末昭初の保存の良いこけしが纏まって出品されて大騒ぎになったが、その中に「岡崎永吉」作として、愛蔵図譜の岡長こけしに良く似たこけしが出品された。「岡崎永吉」という工人は居ないので、おそらく長次郎であろう。これは大変な高額となり入手することは出来なかったが、この写真も参考にして愛蔵図譜の岡長を修一さんにお願いしようと思ったのである。

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こちらが、今回復元された愛蔵図譜の岡長こけしである。大きさは7寸5分。愛蔵図譜のこけし絵は斜め上から見た構図で頭が相当に大きく描かれているが、「岡崎永吉」の写真ではそこまでは大きくなく、それを参考にして貰った。また胴上下のロクロ線は愛蔵図譜では緑と赤であるが、永吉写真の紫と赤に合わせている。黒頭に大きな眉、小さな三角形の目、長めの垂れ鼻、黒点の上に紅を差した口が特徴である。今回の復元作では、目がやや大きめで上瞼の角張りが少なく穏やかでおっとりとした表情になっている。「こけしの描彩は最近はしておりませんので筆の運びに勢いがありません」「良く見ると一本一本違いますが歳に免じてお許し下さい」と修一さんは手紙に書いてあったが、まだまだ岡長型の第一人者であることに間違いは無い。頭が大きく、ほのぼのとした良いこけしが出来上がったと思う。

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最近は署名に年齢を入れている。87歳で木地描彩とも自分でこなし、これだけのこけしを作っている修一さんには只々感心している。修一さんには、これからも末永く、素敵なこけしを作り続けて貰いたいものである。

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