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第85:菅原さんの庸吉写しと乾通りの桜

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昨日は、「往来」のこけしをひやねで受け取り、その後花見に出かけた。皇居乾通りの通り抜けが3月31日まであったので当初は28日を予定していたが、開花後の冷え込みで花が開かず4月を迎えてしまった。幸い通り抜けが4月3日迄で延期され、東京の満開も宣言されたので出掛けて来た。天気予報は曇りであったが、通り抜けの時点では時折日も差し、絶好のお花見日和となった。大混雑を予想していたが、日程延期が知れ渡らなかったのか、拍子抜けするほどの人の少なさで、ゆっくり皇居内の景色を堪能することが出来た。さて、こけしの方は、菅原和平さんの庸吉写しで、口絵写真はその表情である。

ヤフオクで庸吉こけしを入手し、その写しを作って貰おうと考えた時に参考にしたのが「こけし辞典」の菅原和平の項であった。 そこには、43年2月に鹿間氏の依頼により菅原さんが庸吉型を復元したこととその復元作の写真が載っていた。その「現物」というこけしが「往来」の即売品に載っており、運よく入手することが出来た。

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写真左がその復元こけしである。大きさは8寸5分。右はその「原」となった鹿間時夫氏旧蔵の庸吉こけし。鹿間氏の庸吉こけしについては、氏の著書「こけし鑑賞」によれば、昭和16年10月に滑津に庸吉を訪ねた時、五十嵐氏より貰ったもので、西田庸吉Bに匹敵するとのこと。菅原和平の写しは木地形態、描彩ともほぼ忠実に「原」を写しており、「辞典」で『(復元は)完全に成功した』との記載が頷ける。

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こちらは、左が本項のこけし、真ん中が国恵志堂の庸吉、右が菅原さんによるその写しである。国恵志堂の庸吉は鹿間氏の庸吉とほぼ同様の作風のB型であり、筆が細く可憐ではかなげな表情などは本項のこけしの方が良く似ているようにも思える。

さて、以下は花見の写真である。
「乾通りの通り抜け」は皇居外苑の『坂下門』から『乾門』(北の丸公園寄り)迄が開放されている。坂下門の前では、持ち物検査と身体検査が行われ、不審者や不審物の入門をチェックしている。

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坂下門から中に入ったところ。通りの左右には綱が張られ、所々に宮内庁の職員や皇宮警察の警官が立っている。

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流石に皇居の中。こんな古い建物も建っている。

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このような風情のある沼も点在している。

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桜は並木ではなく、所々に咲いているような状態。

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お堀の石垣の内側はこのような感じになっている。向いの橋は皇居東外苑に向いもの。

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写真を撮りながらゆっくり歩いても、30分もかからないで出口の乾門に到着する。

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北の丸公園の千鳥ヶ淵へ。開花状況は8分咲きといったところ。

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靖国神社。こちらはほぼ満開状態。

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靖国神社の「標本木」。根元が整地され、周りに柵が出来ていた。去年までは無かったものだ。

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コメント

国恵散歩!
私の生まれ育った場所の写真。皇居、千鳥ヶ淵、靖国。
懐かしく拝見しました。こけしへの優しい目差しは
このような散歩から生まれるのでしょうか?

egucci 様
良い所で育ったのですねぇ。
四季それぞれに見所はありますが、やはり桜の時期が一番でしょうか!
時間は十分にあるので、身近な所でも歩いてみると思わぬ発見があり、楽しいものです。

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