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第98夜:第5回下谷こけしまつりと福雄のこけし

Fukuo_s30_kao

今年も17日(金)から鶯谷の挽物玩具「ねぎし」で第5回下谷こけしまつりが開催されているので、初日の午後の出掛けて来た。毎回常連の大沼秀顯、新山吉紀、新山真由美、本間直子、阿部国敏、平賀輝幸の6工人が顔を揃えていた。会場中央にはこけしの白木地が用意されており、工人の指導によるこけしの絵付けも体験できるようになっている。入って右側の壁際には参加工人の各種力作こけしが並んでいたが、人気の本間直子さんのこけしは既に完売となっていた。口絵写真は、持参した新山福雄の初期のこけしの表情である。

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「ねぎし」店内に並んだ出品こけし…。

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阿部国敏さんの作品。

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平賀輝幸さんの作品。

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新山真由美さんの作品。

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大沼秀顯さんの作品。昨年から力を入れている岩太郎型(右端)の胴を黄色にしてみたとのこと。これは、写真から「原」こけしの胴が黄色のように思えたからとのこと。

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津軽系の新人小島利夏さん(故小島俊幸さんの娘)の作品。

つい最近、ヤフオクで入手した福雄署名のこけしが気になっていたので、会場に来ていた新山吉紀・真由美ご夫妻に見て貰った。

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こちらがそのこけし。よく見かける福雄こけしとは雰囲気の異なる表情が気に入って入手しもの。1000円の最低価で他に応札者はいなかった。大きさは8寸。胴中央の帯が黒であり、裾模様が福太郎の戦後の様式であることから、戦後のものであることは推測されたが、左右の眉目が離れた大らかな表情は、昭和初期のゲタばきの福太郎に通じるものがあり惹かれた。吉紀さんの鑑定では、先ず木地は新型こけしのものであること。前髪横の赤い飾りが4筆なのは福雄の特徴(福太郎は3筆)。また、細い鬢や点状の小さな鼻、裾模様などから、戦後福雄が福太郎こけしを継いで作り始めた頃のもので、昭和30年頃ではないかということであった。

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福太郎のこけし(左)と並べて見た。Kokeshi Wiki(こけし辞典)によれば、福雄は『戦後再開時は地味な作風だったため、あまり騒がれることはなかったが、昭和35年頃から栄五郎型を、また40年代に入って福太郎型を作るようになって、蒐集家の注目を集めるようになった。』とある。しかし本項のこけしのように昭和30年頃のものであっても魅力的なこけしが存在しており、そのようなこけしを安価で入手するのもこけし蒐集の醍醐味であると思う。

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