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第113夜:新山実の栄五郎写し2

Minoru_eigorodai5_kao

東北、北海道に多大な被害を出した台風10号が過ぎ去ったと思ったら、今度は台風12号が九州から西日本に近づいている。今年は台風がなかなか発生しなかったが、発生し出したら立て続けに日本(特に北海道・東日本)を襲っている。熊本地震に始まって、西日本の集中豪雨、そして東日本への台風襲来と天変地異が続いている。
さて、第111夜で新山実さんの大正期栄五郎写しの紹介をしたが、実さんには同時に昭初の栄五郎写しもお願いしていた。今夜はその栄五郎写しを紹介しよう。口絵写真は、その栄五郎写しの表情である。

先ずは、「原」こけしの紹介をしよう・・・。

Eigoro_dai5_2men

こちらが、「原」こけしである。大きさは1尺。無為庵氏旧蔵品である。髷付きの大頭と肩の切れた細身の真っ直ぐな胴、その大胆なフォルムの素晴らしさと凛とした表情に惹かれ、懇願して譲って頂いた。

Eigoro_dai5_kao_atama

こちらが顔と頭頂部のアップ。頭にはガラが入っている。

Eigoro_dai5_kubi

肩は真っ直ぐに切れており、首は頭部への緩い嵌め込みで、南部のキナキナのように動く。胴を持って揺すると、頭がクラクラしガラの音がする。玩具っぽい仕組みであり、頭がくりぬいてあるので、その分軽くなっている。なお、こけしの説明は「無為庵閑話」を参照されたい。

さて、実さんの写しを見てみよう・・・。

Minoru_eigorodai5_hikaku

こちら、中央が「原」で左右の2本が写し。木地形態は「原」を見事に再現してくれた。頭への嵌め込みはしっかりしており、グラグラ揺れることはない。頭には「原」と同じくガラが入っている。また、肩の角はかすかに面取りがしてあり、「原」ほどの切れ味はない。胴のロクロ線は滲みもなく綺麗に揃っており、滲みと線幅のバラつきによる面白さは少ない。面描では、「原」は右の眉尻と目尻が上がっているためキリッとした表情になっているが、写しは眉尻、目尻とも下がっているので愛らしい表情になっている。

Minoru_eigorodai5_hikaku_yoko

こちらは横斜め上から「原」と比べたところ。耳状の鬢飾り下部に描かれた赤3筆の飾り線が大きな特徴である。鬢は「原」は3筆描きであるが、写しは5筆ほどになっていて、その分太くなっている。

Minoru_eigorodai5_mini

7寸5分に縮小したものも作って貰った。こちらは原寸に比べると、やや寸詰まりの感があるが、その分、より玩具っぽい雰囲気に仕上がっていて愛らしい。こちらも木地は嵌め込みで、頭にはガラが入っている。

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