第119夜:裕介さんの精助写し
昨夜紹介した精助こけしの写しを佐藤裕介さんに打診したのは7月後半になってから。程なくして裕介さんから承諾の返事をもらって、精助こけしを裕介さんに送付した。裕介さんから連絡があり、こけしが届いたのは今月の4日。写しの製作については個々に色々な事情があり、長いものだと数年かかることもある。一か月余りで作って頂いた裕介さんに感謝したい。口絵写真は、その精助写しの表情である。
早速、「原」こけしと比べてみよう。中央が「原」で左右が裕介さんの写し。木地形態はほぼ「原」に忠実に作られているが、写真左のように胴中央部の膨らみがやや太い傾向が見られる。「原」こけしでは、古色もあり色も薄くなっているために全体的にしっとりと馴染んだ感じがしているが、こうして彩色が鮮明になってみると、赤と黄の対比に紫が効いて、実に明るいポップな感じのするこけしになった。頭を赤いロクロ線も鮮やかである。
こちらは横から見たところ。やはりぽっちゃり感があるがロクロ線の赤も黄色も膨張色なので、その影響もあるのかも知れない。
頭頂部を見てみよう。左の「原」では色彩の変化がよく分からないが、頭頂部は中心に白生地を少し残し、その周りに紫のロクロ線を大きく引き、その外側には赤のやや太いロクロ線、顔と接する外縁部に紫の細いロクロ線を引いている。シンプルながら効果的な配色である。
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