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第137夜:こけし談話会(源吉・源七・力蔵)

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昨20日(日)は東京こけし友の会の平成28年度第3回こけし談話会があった。暖かい好天に恵まれた日曜日の午後、15名の方々が会場の鶯谷「ねぎし」に集まった。テーマは「斎藤源吉・源七と橋本力蔵のこけし」ということで、3工人の戦前作が数多く集まり、実り多い談話会であった。口絵写真は昭和初期の源吉こけしの表情である。

源吉のこけしは大正期のものから知られているが、流石に大正期の源吉は出ていなかったが、在京の収集家の大正期と思われる源吉の写真が紹介された。


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こちらは昭和一桁台と思われる源吉こけし。頭が縦長で角ばり、なで肩であるのが特徴である。左から2本目は1尺1寸8分の大寸物。その後、「木形子談叢」で紹介された源吉は肩が角ばり、胴のロクロせんが上は赤、下は紫という我妻勝之助ばりのものであり(木地は勝之助とも…)、その辺りから、肩の角ばった胴になったようだ。

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こちらは昭和10年代の初め頃か。左のこけしは頭部の髪と鬢が離れており、珍しい。キリッとした表情が素晴らしい。

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昭和10年代中頃の大寸物(左3本は1尺)。源吉こけしとして代表的なもの。源吉こけしは大寸物の方が見栄えがあって良いようだ。なお、この1尺3本のみ、頭頂部の青塗りがなく黒で塗りつぶされている。また、オカッパ頭の両脇に赤2筆の飾りが入るようになる。」

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戦後10年代後半から戦後直ぐのものなど。戦前の手絡模様は少ないようだ。

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こちらは源七の黒頭。源七は源吉に比べて重ね菊の花弁が太く、表情もあどけない。

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源七の手絡模様。左2本は初期のもので右端は後期のもの。

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源七は小寸のこげす型が沢山集まった。

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源吉の小寸ものは左の1本のみ。右は源七。源吉と源七の判別はなかなか難しいが、前髪の形(源七は分けた髪が左右に大きく開く)が1つの目安になるかも知れない。

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橋本力蔵の戦前ものは4本あった。

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小寸の力蔵もなかなか良い。

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こちらは、戦後の力蔵。目力が弱く、優しい表情になっている。

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コメント

みどりやさんのこけしは10年以前のものになると、頭と胴模様の描彩が別人にだったりしますね。

しょ〜じ様
なるほど、そうですか!
今回、集まったものの中では、そこまでは分からなかったですが、
10年以前のものはそれ以降とは大分雰囲気は違いますね。

一枚目右から2本目の胴模様は源七なのです♪

しょ〜じ様
なるほど言われてみれば、花弁の描き方が違いますね!
そうすると、源七は10年以前から、こけしを描いていたことになりますか…
また、「山形のこけし」127頁の源吉も、胴模様は源七ですね。

はい、「山形のこけし」しばた旧蔵もそうだと思います。従兄弟のカヘイジも同様で開始した時期は少し遡ると言われてます(一般的に岡崎久作と呼ばれる小寸も、実際はカヘイジの初期だと思ってます)。

しょ〜じ様
大変良い勉強になりました。
ありがとうございます。
これからも色々と教えて下さい。

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