第134夜:勝洋さんの護15年写し
先週の11日(金)から15日(火)まで、巣鴨のとげぬき地蔵尊高岩寺信徒会館で東北復興支援・遠刈田こけしの製作・実演があり、遠刈田から佐藤哲郎、佐藤勝洋、佐藤忠、平間勝治、日下秀行、佐藤早苗の6工人が上京して実演等をされた。佐藤勝洋さんとは「佐藤勝洋の護こけし」という小冊子を作って以来のお付き合い、上京を楽しみにしていた。今回は、特に護さんの昭和15年作の写しを作って持ってきてくれたので、それを紹介しよう。口絵写真は、その写しの表情である。
こちらの写真は、平成25年に勝洋さんの工房を訪ねた折りに見せて頂いた護さんの古品で、右2本が昭和15年作。右端は筆者が持参したこけしで、右から2本目が今回の写しの「原」になったこけしで大きさは1尺。名古屋こけし会の矢田氏が第13回定期頒布(昭和61年7月)のために持ち込み、それ以来勝洋さんの所に置かれている。
こちらの写真(右)が名古屋こけし会の定期頒布品で、左が今回作られたもの。名古屋頒布品は木地形態・描彩とも「原」に忠実に作られている。今回作は大きさ、胴は同じだが、頭はかなり横広になっている。面描は眉・目とも筆がよく伸びているが、描線の勢いは緩くなっており、また湾曲も少なくなって温和な表情になっている。胴の重ね菊も、花弁・添え葉とも筆数が少なく、あっさりした感じになっている。年に応じた枯れた味わいになってきたと言える。
こちらは側面と裏面である。
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