第148夜:木肌こけし(岩蔵)
一昨日、あおぞらのこけし展示・即売・入札会に出掛けた折、即売品の中に珍しいこけしがあったので求めて来た。大沼岩蔵の木肌こけし(胴に木の表面の皮やその一部をそのまま残したこけし)である。岩蔵はこの木肌こけしをかなり作っており、特に桜の木の表皮をそのまま使ったものが有名である。今回の木肌こけしはそれらとはちょっと異なるようなので入手した。今夜はそのこけしを紹介したい。口絵写真は、その木肌こけしの表情である。
こちらが、その木肌こけしの全体像である。大きさは7寸。頭は通常の岩蔵こけしであるが、胴は何かの木の表皮を剥がしたものである。全体に棘のような凹凸があり面白い。胴底は鋸の切り離しで、署名や書き込みなどは無い。胴のうち、肩の山まではこけし仕様に仕上げてあり、ザラ挽きと赤・緑のロクロ線も引かれている。ただ、その肩の山の一部には木地の窪みが入り込んで欠けているような状態になっている。しかし、この窪みが、こけしを正面から見ると、着物の衿のようにも見え、描彩の無い、ともすると単調で味気ない胴にアクセントを与えているようにも見える。あの名人・岩蔵のこと、おそらくそこまで計算に入れて、材木を使ったのであろう。
岩蔵の同時期(昭和17年)の通常のこけし(左)と並べて見た。木肌こけしについては、千夜一夜1の第785夜、同2の第109夜でも紹介している。このような変り型のこけしを集めてみるのも、こけし収集の楽しみ方の1つではないかと思う。
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