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第150夜:2017年元日(これくしょん31)

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明けまして、おめでとうございます!

今年も無事に明けた。全国的にほぼ好天の穏やかな年明けとなった。昨年は熊本大地震を筆頭に波乱に富んだ1年であった。先ずは今年一年の平穏を祈るのみである。
4年ほど前から始まった第3次こけしブームも落ち着いてきたようだ。友の会の入会者も少なくなり、例会の出席者もやや減ってきた。一時は120人を超えていた新年例会の出席者も昨年は100人を割ってしまった。さて、今年は何人が来てくれるだろうか…。
昨年暮れに長年見たかった戦前のこけし冊子「これくしょん31」を入手した。そこに掲載されたこけしの素晴らしさに驚嘆!!。今日、明日の2日間でその写真を紹介しよう。口絵写真は「これくしょん」の表紙である。

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恒例の年賀状。今年の絵柄は滝島茂さんの八重ねダルマ。滝島さんと言えば、ダルマの名人としても有名。昭和の時代、福寿さんが組合の役員をやっていた頃、福寿さんの車に同乗して滝島さんの家に行ったことがあった。川沿いにあった記憶がある。「茂さんはダルマが上手いからなぁ。とても敵わないよう・・・」と言っていた福寿さんの言葉が忘れられない。


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さて、今年の初日の出と富士の雄姿。今年の初日の出は7時3分であった。

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自作のお節3種。手前の田作り(ごまめ)はちょっと炒りすぎて焦げ過ぎ、苦くなってしまった。年に1度しか作らないので火加減を間違えてしまった(苦笑)。

では、「これくしょん31」について…。
「これくしょん」は民芸店「吾八」が発行していた機関紙。この31号(昭和14年11月7日発行)は「こけし名作号」と題して、古作こけしの誌上入札・即売の案内号になっている。

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見開きの1~2頁目。まえがきの第1文には次のように書かれている。

『こけし』の古作約百点を入手しましたので『これくしょん』冊一号をその写真で特集することに致しました。何と言っても『こけし』は過去のもので、どんなに後援し奨励したところで、やがては亡びゆく運命をたどるものでありましょう。
それだけに、平凡な新作も、やがては貴重なものに数えられる…それも、ほど遠くないことと思われます。いわんや古作の大切なこと。此号に載せた一つ一つは、僅に十数年前の作では有りますが、今挽かれる『こけし』とは既に雲泥の相違でありましょう。

昭和14年の時点で、既に正末昭初の古作とは大きな違いがあること、こけしの先行きに悲観的な思いを抱いていることが注目される…。

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写真1。肘折時代の中島正作(1尺2寸)。同肘折の佐藤周助作(1尺5寸)。右端は鳴子(1尺1寸)の産で作者は不詳。その筆致の鋭さに何人も一驚されると思う(非売)。

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写真2。肘折の佐藤周助作(5本)。此の素晴らしい風格を、一体何と形容したらよいか。保存に於いても申分のない逸品。入手至難なもの。(1尺5寸12円、1尺2本各8円、8寸7分5円、8寸5分5円)(入札)

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写真3。1,2,3,4は(1尺2寸10円、1尺2寸11円、7寸2本各5円)。肘折時代の中島正作、中でも2は光っている。5,6(4寸2円、8寸5分6円)は、遠刈田の故佐藤直助作、これ又入手至難といえる。(入札) 数字は左からの順番。

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写真4。土湯の斎藤太治郎作(8本)。何れも劣らぬ可愛らしさである。左端から4本目までの寸法は、今日の老太治郎に求め難いものである。(1尺3寸2本各7円、8寸2本各5円、6寸5分2本各3円、地蔵型4寸2本各2円)(入札)

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写真5。1,2,3(1尺6寸7円、1尺1寸5円、8寸5分4円)は、湯本の佐藤丑蔵作、飴色の逸品。4,5(1尺3寸8円、1尺2寸7円)は、元弥治郎の佐藤伝喜作、入手至難なもの。(入札)

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写真6。1,2(8寸4円、4寸2円)は、蔵王高湯の故我妻勝之助作、3(5寸3分5円)は、土湯故阿部金蔵作、共に廃絶の珍品である。4(4寸1円)は、久保の高橋兵次郎作。5(5寸2円)は肘折の佐藤周助作。6(6寸5分6円)は、仙台の高橋包吉作、中でも之は光っている。7(6寸5分4円)は、遠刈田の故佐藤直助作。8,9,10(3寸1円、5寸3分2円、8寸5分4円)は、中ノ沢の故岩本善吉作。8は、枯淡さに於いて得難い小寸もの。(入札)

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コメント

明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。

さて、今回の記事の中で一番興味が湧いたのは、昭和の14年の時点で既に正末昭初のこけしが貴重品と
なっている点。よく「激動の昭和」と呼ばれていますが、こけしの世界にも当てはまる言葉だと思います。
あくまでも「こどものおもちゃ」だった時代から始まり、明治以来の古老工人達が活躍していた第1次ブーム・・。
又、終戦直後に湧き出た観光こけし等の新型こけしと創作こけし・・。そして、高度経済成長の波に乗じて起こった第2次ブームと復元ブーム・・。たった64年の間にこんなにも性質が変貌してしまった事例が他の時代にあるのだろうか?、そして、昭和元年作のこけしと64年作のとでは、雲泥の何倍の差があるのやら・・、そんな感じですね。

益子 高様
今年も、よろしくお願い致します。
おっしゃる通りですね。
我々が現在目にできるこけしは古くても高々100年程度のもの。
しかし、その時期は日本にとっては激動の時代。
可愛いこけしもその中で翻弄されて、相当な変遷を経て来たのでしょう。
こけしを見ていると、その生きて来た時代が蘇るようです。

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