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第181夜:最近入手の古品(遊佐民之助)

Tami_sengo_kao

今夜は鳴子の遊佐民之助である。民之助のこけしは大正期を中心にした第1期、昭和15年から18年の第2期、昭和26年から亡くなる28年までの第3期に分かれる。戦後の復活作も戦前作と変わらない古雅溢れるこけしを残しているため、戦後作でも戦前作に勝るとも劣らない評価を受けており、人気も高い。昨日終わったヤフオクにも戦後作が出ていたが8万円近くの高額で落札されていた。今回の民之助も戦後作であるが、古品扱いで紹介したい。口絵写真はその表情である。

Tami_sengo_2men

こちらが、民之助こけしの全体像である。大きさは8寸2分。底に製作時期を示すような署名は無い。頭は小さく、胴はやや長めで反りは少なくスマートな形態である。角ばった低めの肩の山や肩上面にも塗られた赤ロクロ線など、鳴子こけしの古い様式を色濃く残している。手早く描いたと思われる前髪・鬢・水引は筆が太い反面、眉・目・鼻などの面描の筆致は細く、それと比べて眼点は相対的に大きく、可憐で愛らしい表情となっている。胴模様の菊花と茎葉も流れるような筆使いで熟練さが感じられる。


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ヤフオクに出た民之助の顔写真(右)と比べて見た。本項の民之助は面描が顔の中央に寄って集中度が高いのに対し、ヤフオクの民之助は面描が広がっており、眉・目も顔のやや上方にあって表情は鋭い。戦後の製作は3年程であるが、その中でも描彩の変化はあるようだ。ちなみに胴模様の菊花は本項では上下の横菊が花弁がお椀のように上を向いているが、ヤフオクの方は花弁が横に広がったような横菊を描いている。

Tami_sengo_hikaku

松田忠雄の復元作(左)と比べてみた。復元作だけ見ていると実に良く出来ていると思えるが、こうして並べてみると、やはり雰囲気には大きな違いがあることが分かる。忠雄の作は頭が縦長で角ばっており、表情はシャープで現代的なこけしになっている。

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