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第184夜:最近入手の古品(酒井正進)

Syoshin_s16_kao

今夜は4月頭に纏めて入手した古品の最終回である。中ノ沢の酒井正進の戦前のこけしであるが、千夜一夜(1)の第274夜で紹介したものとはやや様式が異なるので、比較しながら紹介したい。

Syoshin_s16_2men

こちらが、その全体像である。大きさは5寸1分。肩が丸く張った直胴に横広きみの丸い頭を付けている。前髪、鬢とも細い筆で細かく描いている。目、鼻、口の描線に比べて眉はやや太く、口には紅が入り、薄く頬紅が塗られている。眼点は小さく、正面を向いた視線は強い。昭和12,3年頃の作と思われる。

Syoshin_s16_hikaku

第274夜のこけし(右:昭和10年頃)と比べてみよう。胴の形は本項作の方が肩の丸みがやや緩くなっているが、ほぼ同型と言えるだろう。頭の形は、右が縦長であり、左はそれをやや押しつぶしたような感じである。左は胴模様に葉も描かれているが、右は痕跡も無く葉は描かれていないようだ。

Syoshin_s16_kao_hikaku

次に顔を比べてみよう。前髪の下が左はほぼ水平であるが、右は中央が長くなっている。眉は左の方が太くなっている。鼻は右の方が大きく、口は左は墨3筆で写実的な輪郭を描き中に紅を加えているが、右は墨2点のみである。頬紅も左にはあるが、右には無いようである。

Syoshin_s16_atama_hikaku

最後に頭頂部の蛇の目を見てみよう。左は赤と黒の2色構成であるが、右は黒と赤の間に緑の線が入っているのが特徴である。

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