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第202夜:小林はつえのこけし

Hatue_kao

今夜紹介するのは、纏めて入手した小寸こけしの中に入っていたこけしである。そのこけしは2本あり、見た目の感じから山形系のこけしと思ったが、誰の作か工人名が浮かばない。胴底を見ると「はつえ」と書かれている。しかしそれだけではやはり分からず、Kokeshi Wikiにも該当するような工人は見当たらない。こういう時に重宝するのが高井氏の「東北のこけし」。特に巻末の掲載工人名簿が役に立つ。写真掲載されていない工人も含めて、系統別・あいうえお順に最近の工人までくまなく記載されているからである。そこで、山形系の工人を見てみると「小林はつえ」という工人名が見つかった。写真掲載は無いが「小林清次郎妻女」とある。山形系の名工・清次郎さんの奥さんの作であることが分かった。口絵写真はその表情である。

Hatue_2hon

こちらが、その2本である。大きさは左5寸2分、右5寸3分。木地は清次郎さんか清さんであろう。左は頭が小さく、白胴に小林家の伝統的な花模様。面描は二側目に割れ鼻で、おっとりとした表情であり、吉三郎の明治型を彷彿させる。一方、右は頭はやや大きく、目は二側目であるが眼点が大きく一側目や一筆目のように見える。鼻は丸鼻で愛らしい。胴は写実的な花模様であり、黒田ウメノを思わせる。左の方がより伝統に忠実なこけしと言えるかも知れない。

Hatue_syomei

胴底の署名を掲載する。山形系の吉太郎のこけしは好きなこけしであるが、清次郎さんの奥さんのこけしがあることは迂闊にも今迄知らなかったのである。

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