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第212夜:こけし談話会(新次郎・徳二)

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昨17日(日)は東京こけし友の会の「こけし談話会」があった。台風が近づき雨模様のため参加者が心配されたが、何と16名もの方々が鶯谷の挽物玩具「ねぎし」に参集された。テーマは土湯系の阿部新次郎と西山徳二。土湯系の中でも地味な部類に入り、各系統の華やかなこけしの中に入ると埋もれてしまいそうだが、こうして初期から晩年までの作品を並べて比べて見ると中々に味わいのあるこけしであることが分かり、改めて両工人のこけしに酔いしれた1日であった。口絵写真は初期の新次郎の表情。素朴さの中に力強さがあり、それでいてあどけなさも感じるこけしである。

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新次郎の初期(昭和1桁台)のこけし。胴模様はロクロ線のみで模様は少ない。

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新次郎の中期のこけし。ロクロ線の間に花や虫などの模様が入ってくる。

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新次郎の後期(戦後)のこけし。初期、中期とは表情が変ってくる。

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次いで、徳二のこけし。こちらは、極初期のものと思われる。新次郎の初期かという意見もあったが、前髪の様式(徳二は1本ずつ分かれている)から徳二に落ちついた。

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徳二の初期のこけし。左2本は「教室だより第14号」で徳二15歳(昭和5年)とされたもの。右2本も同様の作風で昭和7年頃か。顔も胴もかなり細身のこけしである。面描はきっちりと描かれ、大人びた表情である。

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徳二の中期のこけし。昭和10年から12年頃。初期に比べると顔・胴がやや太くなった。胴中央に稲妻模様が入り、胴下部は黒ロクロ線で締められている。

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徳二の後期のこけし。昭和13年から14年頃。頭が横広気味になり、胴も太くなった。表情に優しさが加わり童顔になった。

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阿部一郎(新次郎長男)の初期のこけし。

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