第211夜:盛秀型の人気…
東京こけし友の会の8月臨時例会の入札には盛秀こけしを筆頭に盛秀型のこけしが多数出品されていた。昭和40年~50年代にかけてこけし界における盛秀こけしの人気は絶大で、僅かな出品作を求めてイベント会場には長蛇の列が出来ていた。価格も1寸1万円と言われた時代である。今回の入札には尺の盛秀こけしが2本、最低価も最盛期の1/3以下と言う設定であったが、応札数は1件のみ。1本には応札は無かった。その他の盛美津雄(2本)、奥瀬鉄則(5本)、奥瀬陽子(2本)にも応札数は少なく、応札の無いものもかなりあった。お陰で、筆者は鉄則、陽子の2本を落札することができた。口絵写真は、陽子こけしの表情である。
戦後の第二次こけしブームに育った我々にとって、盛秀こけしは憧れであり、一度は持ってみたい、1本は持っていたいと思わせるこけしであった。付け睫毛の瞳は好みが分かれるが、胸が膨らみ裾が開いた独特な形に、アイヌ模様をあしらった達磨や牡丹の模様は迫力があり、その存在感は圧倒的であった。孫の美津雄はそのこけしをほぼそのまま継承しているが、弟子の鉄則はそれを現代的な感覚で綺麗なこけしに昇華させ、陽子さんに引き継いだ。その息子の恵介は素朴さを求めて盛秀の原点を目指したが、現在休止中なのは残念である。
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