第219夜:今さんの闇夜こけし(2)…追記あり
第217夜で今さんの闇夜こけしを紹介したが、その闇夜を入手されたS先生が出品されたMさんに問い合わせたところ、Mさんのお父さんの収集品の中から本田功さんの闇夜こけしを発見して送って下さったとのこと。その闇夜こけしをお借りしたので、先の今さんの闇夜と並べて紹介しようと思う。口絵写真は、本田功さんの闇夜こけしの表情である。
昭和56年10月、鳴子から帰った今さんは11月から弘前市の今属団地に居住し、「こけしの館」にて長谷川健三さん、本田功さんと一緒に木地玩具などを作っており、その時に闇夜こけしも作ったということは、第217夜に書いた。
さて、こちらが今さんの闇夜(左)と本田功さんの闇夜(右:3寸)である。ご覧のように、角張った作り付けの頭、裾が窄まった胴、裾部の形など、木地形態は非常によく似ていることがわかる。描彩は今さんは津軽型、本田さんは鳴子型である。同じ時期に収集されたと思われるMさんのお父さんのコレクションの中から、この本田さんの闇夜が出て来たことは重要なことで、これにより今さんと本田さんが一緒に闇夜こけし等の木地玩具を作っていたことの証になると思われる。
追記)10/21,22に開催された伝統工人フェスティバルに本田功さんが参加されており、Fさんを介して下記のようなお話を伺うことが出来たので記しておきたい。
『闇夜のお話伺いました。やはり、ねぷた村でご一緒していた際に作った闇夜だそうです。「作」と署名してるのも、本田工人が本人が作ったと分かる様に作と書いた方がよいとアドバイスしたとの事でした。
『闇夜のお話伺いました。やはり、ねぷた村でご一緒していた際に作った闇夜だそうです。「作」と署名してるのも、本田工人が本人が作ったと分かる様に作と書いた方がよいとアドバイスしたとの事でした。
本田工人は十和田のおじいちゃんとおっしゃっていましたが、高瀬工人ですかね?
その方と一緒に岩手の煤孫工人に闇夜を教えてもらいにいき、覚えたそうです。
形はキナキナは真似できないので、鳴子系の「地蔵型」で作ったとのことでした。
今工人は鳴子修行から青森へ帰ってきた際にこけしが売れなかったので玩具を作ってみたら?とお勧めした内の一つに闇夜があるといったニュアンスでもお話していました。』
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