第228夜:慎二・一次の今朝吉型
ヤフオクを見ていて、これは良いこけしだなぁと思っても一向に応札が入らないこけしもある。良いこけし、必ずしも人気こけしでは無いということは分かっていても何となく寂しく思うものである。今夜紹介する大内慎二のこけしもそんなこけしの1本なのであろう。千円の最低価で応札無く、次は千円で即落札という形で出品されていた。大内今朝吉の曾孫にあたる大内慎二が伝来のこけしを作り始めたのは昭和58年頃。やがて今朝吉型に挑戦して今朝吉に肉薄するこけしを作りだして脚光を浴びた。今夜紹介するこけしは、そんな今朝吉型の中でも最も完成度の高い作だと思う。口絵写真はその表情である。
こちらがその今朝吉型の全体像である。大きさは20cm(6寸6分)、頬のこけた逆おむすび形の頭にシャープな三角胴。胴には今朝吉得意の赤と緑のロクロ線が引かれている。「原」こけしは判然としないが、昭和初期の今朝吉の傑作なのであろう。太い眉に顔の中央に寄った鋭い瞳、大きな猫鼻に墨3筆の口が良くマッチしている。胴底には「61.3」の書き込みがあり、今朝吉型を完全に消化した頃の慎二の力作と言えるだろう。
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