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第232夜:盛の遊び心…

Sakari_kanjifu_kao

11月はこけし関係の行事が目白押しで出歩くことが多いが、通常は定年退職の自由人であるために自由時間は余るほどある。従って、ネットオークションのヤフオクはいつも眺めていることになる。最近では多種多様なものが出品され、よく見ていると面白いものが見つかる。今夜紹介する高橋盛もそんなものの1つ。見慣れた盛こけしとは描彩が異なるため、手元で見てみたく入手した。鳴子系を中心にした保存の良いこけしが15本、ボヘミアングラスの箱に入っていて3500円とは安価と言えるだろう。口絵写真は、その盛こけしの表情である。

15本のこけしの中に、盛こけしは同寸のものが2本入っていた。1本は通常の普通型。もう1本は勘治型の大きな鬢が描かれている。

Sakari_kanjifu_hikaku_mae

その2本を並べてみた。右が普通型で左が問題のこけしで大きさは6寸。胴は形も描彩も同種のものである。ところが頭部を見てみると、左のこけしは鬢以外にも前髪が3股描きのように見える。高勘のこけしは前髪は櫛形か左右への振り分け髪が普通で、このような3股髪は見た事がない。2股の振り分け髪を描く時に筆が滑って3股なったとも思えない。

Sakari_kanjifu_hikaku_yoko

Sakari_kanjifu_hikaku_atama

横面と頭部を比べてみよう。勘治型のような髷にはなっていないが、右の普通型の頭頂部の様式に比べて、前髪を束ねて後ろに垂らした紡錘形の黒髪も大きく描かれ、その中も赤く塗られており、赤い水引も小さいながら上手く纏めて華麗な描彩となっている。大きな鬢とも相まって風格のあるこけしとなっている。このようなこけしはいつも作っているものとは思われず、収集家との会話の中から生まれたものなのではないだろうか…。

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