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第243夜:2018年元旦(守正さん追悼)

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あけまして、おめでとうございます!

2018年も無事に明け、新春の初日の出を拝むことが出来た。先ずはありがたいことである。もう昔のように親類縁者が集まって新年の祝いの宴を行うでもなく、穏やかで静かな正月である。ここ数年は家で正月料理を食べながら駅伝を見るのが楽しみとなっており、今年も1日から3日まで、その予定の中にどっぷりと浸かっていくことにする。

さて、昨年も押し詰まってから何人かの工人が旅立って行った。多くの方々がそれなりのお年であり、致し方ないことではあるが寂しさはつのる。今夜は、その中から遠刈田系の佐藤守正さんを偲んでみたいと思う。口絵写真は守正さんの直治型の表情。

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先ずは恒例の年賀状の紹介から。ここ数年は、ダルマの写真を使っており、今回も「ダルマの名人」と言われた滝島茂さんのダルマを使った。写真では分かり難いが、径14cm、高さ11cmの堂々たる大物で、昭和59年の初挽き品である。

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これも恒例となった、家のベランダから撮った初日の出(7時3分)と富士山の雄姿。東から上る御日様に照らされて桜色に染まった富士山が美しい。

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年賀状、初日の出とともに「新春三点セット」となった自前のお節4種。正月気分を味わうためには欠かせないもの。一応自作に拘っている(笑)


さて、佐藤守正さんのこと。
守正さんのことを知ったのは、友の会に入会して間もない頃の「こけし手帖196(昭和52年7月)」の中の記事『御邪魔します 守正さん』であった。読んでみると、守正さんのこけしが当時はかなり入手難だったことが伺われる。そして領収書は和紙に筆で書いたとあったのが印象に残った。それから月日は経ち、平成14年5月、産地訪問の中で守正さんを訪ねることになった。当時力を入れていた直治型のこけしを入手するためである。以前の手帖の記事から恐る恐る問い合わせると快諾してくれた。

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守正さんの自宅は、蔵王こけし館に続く道の入り口の角にあり、未だ新築であった。その横には大きなこけしの像も立っていた。

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初対面の守正さん。お願いした直治型のこけしを作って待っていてくれた。明るく広い座敷に通され、お話を伺い、こけしを分けて頂いた。この時も、領収書は和紙に毛筆書きであった。76歳とのことであったが、矍鑠としていたのが記憶に残っている。

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守正さんの直治型3種。左が平成14年の訪問時に入手したこけしで大きさは6寸7分。中と右は後日中古で入手したもので大きさは7寸。中は胴裏に「直治型 守正」の署名がある。守正さんは昭和40年代から直治型を作っており、右2本はその頃のものと思われる。
直治型は古い青根の様式を残しており、幾つかの特徴があるのでそれを見て行こう。先ず、「襟菊」と呼ばれる胴模様で、重ね菊の間に赤の2本の縦線を入れる様式で、これは3本ともOK。次に鼻は割鼻でこれもOK。口は墨で上下に2線を描き、間に紅をさす。これは左のみOK。右2本は赤の2点描き。

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次に、鬢の後に耳状の飾りを描く。これは左のみOK。右2本には描かれていない。

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最後に頭頂部の様式。直治型では、前髪の後に赤点と緑点の2点を描くが、これは左のみOK。右2本は赤点が無い。また、緑点から放射状に延びる手絡は直線のみであるが、右2本は遠刈田の一般の手絡と同様に真後ろにはくねった手絡が描かれている。

こうして見てみると、訪問時に作っていてくれた直治型は「原」に忠実に作られたものであることが分かり、その心遣いに改めて感謝したい。

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コメント

自分は「友の会」には入会していないのですが、会のホームページを閲覧する度にベテランの工人さんの訃報を目にする度に心が痛む思いをしています。多くの工人さんが昭和40年代から50年代の所謂「第2次ブーム」時に活躍した人達ですね、平成が来年で終わるという時分にますます昭和が遠のく感じがして、淋しさを感じます・・。兎も角、明けましておめでとうございます、今年も色々な話を期待していますのでよろしくお願いします。

益子 高さま
工人さんは亡くなっても、作られたこけしは残っているので大事にしていきたいですね。本年もよろしくお願いいたします。

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