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第248夜:新兵衛の後継者2

Stoshio_s33_kao

千夜一夜(1)の第858夜では、大沼君子以下、大沼新兵衛の後継者のこけしについて紹介したが、新兵衛の弟子である佐藤俊雄については触れなかった。佐藤俊雄のこけしとして目するこけしが本人型で新兵衛こけしの俤を殆ど残していないためである。ところが先日、ヤフオクで新兵衛こけしを彷彿させる俊雄の初期作が出品されて入手することができたので紹介したい。口絵写真はその表情である。

佐藤俊雄は昭和10年1月の生まれ。中学校卒業後、及川工場で木地を習得し、昭和27年7月から新兵衛の指導を受け、32年4月よりこけしを作り始めた。当初は新兵衛のこけしを忠実に継承していたが、新兵衛没後は次第に自身の型に変化していき、新兵衛の影響は薄くなってしまった。

Stoshio_s33_2men

こちらが今回入手の俊雄こけしの全体像である。大きさは9寸。胴底に「33年8月 22才」の署名がある。こけしを作り始めて1年程経ってからの作である。Kokeshi Wikiに昭和30年の新兵衛こけしが載っているが、それを見ると、一筆目が顔の下方に描かれた可憐で愛らしい表情をしており、この俊雄こけしがそれを忠実に写しているのが良く分かる。

Stoshio_s33_hikaku

これよりやや後(左、24歳)と並べてみた。2年程の差であるが、表情がかなり変化してきているのが見てとれる。特に目が一筆目から完全な一側目になっており、しかも目尻の上がったきつい表情となっている。しかし、その他の描彩は新兵衛を踏襲しており、これなら十分新兵衛型と言えるだろう。下に上記2本の署名を掲載する。

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コメント

こんにちは。いつもブログ楽しく読ませていただいております。新兵衛工人の後継者で現役なのは、海老名一郎工人ただ一人なのでしょうが、昨年、友の会例会で頒布された海老名工人のこけしには、新兵衛こけしの俤が感じられなかったのが残念です。君子さんのこけしが入手しやすいとはいえ、なんだか少しさびしい状況ですね。

aki 様
全く同感ですね!
新兵衛のこけしは決して目立つこけしではありませんが、
そこはかとなく咲く可憐な野菊の様で、鳴子系には無くてはならないこけしの一つです。
海老名さんには新兵衛の現物を見て貰って、その味わいを再現して欲しいですね。

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