第276夜:佐藤正一(最晩年2)大阪地震
今朝大阪を襲った地震は震度6弱で、大阪では過去最大の大きさだったとのこと。3名の方が亡くなり、通勤・通学時間帯だったこともあり、交通機関の大混乱を含め、大きな被害が出てしまった。被害を受けられた方々にお見舞いを申し上げる。大地震といえば、2011年3月11日に発生した東日本大震災を思い出す。あの時は棚から落下したこけしが室内に散乱し、赤の染料が顔に付いた血染めのこけしが目に浮かぶ(第518夜)。さて、今夜は土湯の佐藤正一のこけし。第341夜で「最晩年のこけし」として昭和40年の作を紹介したが、その後の作品が出てきたので紹介したい。口絵写真はその表情である。
第341夜で紹介したこけしは「昭和40年4月」作で自挽きのこけしとしては最晩年のものであろう。正一はその後、同年5月2日に病(中風)に倒れ、以降はこけしを挽くことができなくなった。それでも、それ以降、斎藤弘道の木地に描彩を行ったとされている。
さて、こちらは胴底に「昭和44年9月 64才」との署名があるこけしで大きさは8寸。木地と胴模様は弘道であろう。面描だけとしても筆致はしっかりしており、往年の作に引けを取らない。中風だと手が震えるのではと思われるのだが、この描彩からはそんな様子は微塵も感じられない。
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