第282夜:郷玩時代のこけし(内嶋コレクション)
先日、ヤフオクに状態の良い古品が6本纏めて出品された。古品愛好家にとってはかなり興味を惹かれるこけし達であったと思われる。出品元は福井県の三国町からで、その後このこけしの出所などの情報が分かったので記しておきたいと思う。出品された方のお話では、同氏のお父様が特別に保管されていたもので、お祖父様のコレクションだったという。お祖父様は内嶋玉峰というペンネームで活躍された著名な郷玩コレクターで、蒐集は土人形が中心で、その作品は町の資料館(みくに龍鵬館)に寄贈されたとのこと。口絵写真は玉峰コレクションのこけし群像である。
江戸末期の文化文政期に子供のおもちゃとして誕生したと言われるこけしは、明治30年代には最盛期を迎え、高橋勘治や岡崎栄治郎の大寸物など飾って眺める用途でも作られていた。しかし大正時代になってブリキやセルロイドの玩具が普及するようになると急激に衰退していくようになる。そんな折、郷土玩具の内のひとつであったこけしに注目する郷玩愛好家が出てきて積極的に探究・普及活動を行い、その美が一般にも注目されるようになった。こけし界では「正末昭初」という言葉がよく使われるが、それはほぼこの時期を指している。この時期のこけしは蒐集家の影響を殆ど受けておらず、昔から引き継がれたこけしそのものであった。ここでは、それを「郷玩時代のこけし」と呼んでみた。昭和も2桁台に入ると第一次こけしブームの到来となり、こけしは工人、蒐集家の増加とともに変化していくのである。
さて、内嶋玉峰という名前をネットで調べてみると、東京民芸協会のレポートが見つかり、しかも今年の3月例会(3/23)のものであった。郷土玩具4「郷土玩具が集まってしまうと‥‥ 先人達の郷土玩具の部屋」というテーマで纏められたもので、その先人達の一人として内嶋玉峰の名前が出ている。こけし関係では、武井武雄の名前も見られる。
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鳴子は高亀のこけしみたいだけど、武蔵ですか?。
投稿: 益子 高 | 2018年7月14日 (土) 20時35分
益子 高様
武蔵の昭和3年頃でしょうか。
武蔵の中では最も味わいのある表情の時期ですね。
投稿: 国恵 | 2018年7月14日 (土) 20時49分
やはり、武蔵ですか。後年の作品と違い、顔が頭部の下半分の所にちまちまと描かれているのがいいですねぇ~。
投稿: 益子 高 | 2018年7月14日 (土) 21時50分
益子 高様
次の解説で、その辺りの話をしたいと思います。
投稿: | 2018年7月17日 (火) 17時06分