第288夜:二本の英裕こけし
今月の友の会例会では2本のこけしを入手した。2本しか入手出来なかったという方が適切かも知れないが…。その2本はいずれも佐藤英裕さんのこけしで、入札でゲットした18歳の5寸と抽選で入手した28歳の6寸5分である。こけしは縁で集まってくるという傾向があり、今回の2本もその類か。10代の英裕こけしは人気があり以前はかなり高価になっていたが、今回の入札者は筆者のみで、価格も安めであった。口絵写真は、その18歳英裕こけしの表情である。
こちらが入手した2本のこけしである。左が28歳作、右が18歳作である。18歳作は、初期こけしの特徴である稚拙さ、素朴さ、幼さなどが表れており、それが見所の多くを占めている。祖父丑蔵のこけしでは、面描も種々あり、口も結び口や笑い口がある。本作は結び口であるが鼻から離れていて大きめの唇のように見え、口を閉じて頬を膨らませたふくれっ面のようである。ブスカワ(ブス可愛い)と言ったら怒られるだろうか(笑)。一方の28歳作では表情が整い、太い筆致で描かれた大きな眉・目と小さな鼻・口が絶妙な配置で可愛らしさに溢れた表情になっており、乙女の成長が感じられる。
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