第291夜:郷玩時代のこけし(小林清蔵)
台風が行ったと思ったら、またあの酷暑のぶり返し…。高齢者の身には厳しい。室内に居ることが多いが熱中病には気を付けねば…。弥治郎の吉野稔弘さんが8/2に急逝されたとの訃報を聞いた。事情は良く分からないが、将来を期待された新人であったたけに残念である。ご冥福をお祈りする。暑さによる「億劫さ」に気を取り直して、本ブログの更新に励まねば・・・。今夜も玉峰コレクションのこけし(小林清蔵)である。山形系、小林家のこけしではやはり吉太郎に惹かれることが多く、清蔵のこけしはこれまで入手する機会に恵まれなかった。今回は纏めて入手した中に入っていたものであり、改めて清蔵こけしを調べてみた。口絵写真は清蔵こけしの表情である。
こちらが清蔵こけしの全体像である。大きさは8寸2分。倉吉伝来の頭が大きく裾が括れた形態である。清蔵は大正期からこけしを作っており、正末昭初のものが残っている。裾括れ型としては、Kokeshi Wiki掲載の鈴木氏蔵品(昭和初期)や植木氏蔵品(昭和5年頃)が代表作と思われるが、いずれも頭は角ばっており、肩も角ばっている。本作はこれらと比べると頭は丸く、肩も丸みを持っている。また鼻の広がりも大きくない。清蔵こけしは昭和15年以降、長男誠太郎の木地が多くなって頭が丸くなり、また鼻が広がらずに狭くなったと言う特徴に当てはまるようにも思える。しかし、面描は吉太郎なみに鋭く、胴模様の四弁の梅花や裾部の井桁模様も闊達な筆致で流れる様に描かれている。清蔵こけしのピーク期は昭和5年から10年頃と言われているが、本作もそれに近い頃の作ではないかと思われる。
頭頂部と後頭部の模様はご覧の通りである。
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