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第296夜:友の会65周年記念こけし

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東京こけし友の会創立65周年の記念こけしは、蔵王系の田中恵治さんに仙台屋に残っている栄治郎こけしの写しを作って頂いた。製作年代のはっきりした明治期のこけしとして有名な岡崎栄治郎のこけしは、仙台屋が雛祭りの飾り用として2本注文したもの。その内の1本は仙台屋から譲り受けて現在は友の会の所蔵品となっている。この友の会蔵栄治郎のこけしは平成15年に友の会創立40周年の記念こけしとして岡崎幾雄さんにより写しが作られた。今回、もう1本の仙台屋蔵の栄治郎こけしの写しが作られたことで、2本の栄治郎こけしが幾雄・恵治の師弟により再現されたことになる。友の会の記念こけしとして有意義なものとなった。口絵写真は恵治作栄治郎写しの表情である。

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こちらに師弟の栄治郎写しを並べてみた。右が幾雄作の栄治郎写しで、左が今回の恵治作栄治郎写しである。栄治郎の2本の原こけしは木地形態はほぼ同じであるが、描彩面ではやや違いが見られ、特に胴模様は明確に異なる。雛段に飾った時に2本が一体になるように描かれたのではないかと言われている。今回、恵治さんの試作の段階では頭が丸みを帯びた通常の栄治郎型の形態であったが、記念の頒布品では頭が角ばって原に近づき格段に良い出来に仕上がっており、それに伴って表情も格調が高くなり、恵治さんの本作に対する意気込みの強さが感じられるものとなった。

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2本の栄治郎こけしの大きな違いである胴の脇模様の違いを見て頂きたい。原品では経年による退色で見えずらくなっている模様が鮮やかに再現された。この幾雄・恵治の両工人によって再現された2本の栄治郎写しは、数ある栄治郎型の中でも出色の出来であると思う。ぜひとも手元に揃えたいこけしと言って良いであろう。

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両記念こけしの印。右幾雄作では胴底の署名の回りに「創立40周年記念」のゴム印が押されている。左恵治作では胴下部裏側に「創立65周年記念」の金ラベルが貼られている。

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