第322夜:黒頭の栄治郎型(幾雄・恵治)
さて、今夜は幾雄さんの黒頭栄治郎型である。幾雄さんは昭和55年に田中恵治さんが弟子入りして木地を挽くようになるまで、酒屋の店が忙しかったこともあり、こけし自体の製作量は多くはなかった。そんな中で、幾雄さんが何時から黒頭型を作ったのか確認していないのではっきりしない。平成に入ってからは良く見かける様になった。手持ちの黒頭は2本、うち1本は昭和期のものと思われ、それを中心に紹介したいと思う。口絵写真は、その表情である。
こちらが昭和期の黒頭栄治郎型。大きさは8寸。昭和期の幾雄さんは木地が別人のものも多く、木地形態もかなりバラツキがある。本作も栄治郎型としてはかなり頭が縦長の形態である。前髪は中央を分けた髪型でかなり内側で鬢と繋げているため顔の面積も狭くなっている。前髪の両端には赤二筆の飾りを描いている。昭和40年代後半の作であろうか。帯上の左右には小花を添えてあり手の込んだ描彩をしている。
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