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第338夜:蔦作蔵のこけし

Sakuzo_ssyo_kao

弥治郎の蔦作蔵のこけしは丸頭の愛らしいこけしという印象が強く、あまり興味を引かれないこけしであった。そんな中で昨年9月に行われた友の会のこけし談話会で見た初期(大正期か)の作蔵こけしは、これまでの作蔵こけしに対するイメージを一新させ強烈な印象として脳裏に刻まれた。そのようなこけしは昭和の初期までは作られていたようだ。そんな昭和初期と思われる作蔵こけしが先日ヤフオクに出品され、予算ギリギリのところで入手することが出来た。今夜はその作蔵こけしを紹介したい。口絵写真はその作蔵こけしの表情である。

明治25年生れの蔦作蔵は16歳の時に弥治郎の佐藤勘内の弟子となって木地修業を始めた。その後、大正2年4月に独立し、小野川温泉で開業して木地業を続けた。こけしは大正期と思われるものが残っており、Kokeshi wikiにも紹介されている。また、前述のこけし談話会に持ち寄られたもの(写真の左)も、頭が横広で垂れ髪が頭部全体を覆って、額部の半円状の飾りが無く、正末昭初のものと思われる。

Sakuzo_ssyo_2men

こちらが今回のこけしである。大きさは6寸。wiki掲載の写真(の右端)や談話会の写真(右)と同手で昭和初期のものと思われる。頭はほぼ円形となり、頭部の垂れ髪は側面から後部のみとなり、前面の額には赤・緑・緑・赤の半円形の飾りが付いている。

Sakuzo_ssyo_yokoatama

こちらが頭部側面から見た状況である。鬢飾りは赤い半円形の飾りの後の黒ベレーの直ぐ下から描かれているのが分かる、また、垂れ髪はかなり長い。

この大正期から昭和初期までの作では、胴模様は3段ないし4段の重ね菊で大きな変化は無い。この時期の作蔵こけしの見どころは顔の表情である。上下に大きく開いた十日月の瞼に丸い眼点を入れている。通常、この形式だと後年の作のように可愛らしい表情になるのだが、そうはなっておらず、その強い視線は何かを訴えているようで土俗的な不気味さすら感じられる。笑口に入れられた紅もそれを助長しているようだ。生命力に溢れたこけしと言えるのだろう。

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