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第333夜:昭三のこけし(4)

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1月の友の会例会では抽選こけしの中に小林昭三のこけしがあった。抽選の順番は中程であったが、抽選コーナーには昭三のこけしが残っていたので、入手することができた。昭三のこけしは既に3本持っており、それらは本ブログで紹介している。今回の昭三こけしはそれら3本とはかなり異なった木地・描彩のものであったので、比較する意味もあって入手したのである。口絵写真はその昭三こけしの表情である。

Syo3_s59_2men

こちらがそのこけしである。大きさは8寸3分。胴底には「59.2.1 42才」の署名がある。ご覧の通り、頭、肩とも極端に角張った形態のこけしである。胴模様の重ね菊は闊達な筆致で描かれているが、面描は筆太に大らかな筆致で描かれており、目は大きく、まるで漫画のようなこけしである。どうしてこのようなこけしが生まれたのは定かではないが、父であり師匠である善作も色々な作風のこけしを作っており、その血筋がなせる業なのであろうか。

Syo3_s59_hikaku

これまでの3本と並べてみた。左から、昭和43年1月、同3月、44年5月、そして59年2月である。昭三は昭和42年より新聞社に勤務し、47年からは盛岡勤務となり滝沢村に住むこととなった。これ以降を滝沢時代と呼び、仕事の合間にこけしも作っている。その作例がKokeshi wikiに載っている。昭和56年(右)と63年(左)の作である。本項のこけしは丁度その間に位置するものであるが、この2本に比べて一番尖がったこけしである。作風は遠刈田に行ってからの丑蔵を思わせ、昭三も肘折的なものから遠刈田様式に近づいてようだ。

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頭頂部の様式を比べて見た。こちらで見ても、本項のこけし(右端)では頭頂部の青点の回りに鱗上の飾りが付き、赤い手絡も中央後の一本がくねった遠刈田様式になっている。

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