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第353夜:英太郎(20歳その2)

Eitaro_20sai_kao 3月6日~12日まで伊勢丹新宿店で佐藤英太郎の「こけし・木地人形展」が開催され、伝統こけしから木地人形まで1000点に及ぶ作品が展示・即売された。木地人形の中には百万円を超えるものもあったようだ。トークショーも開かれるということで、こけし・木地人形はともかく英太郎さんの話は聞いてみたかったが、結局行きそびれてしまった。英太郎と言えば19歳と言われるほど有名であり、その入手も容易ではない。そんな中、最近20歳作を入手したので19歳作と比較して紹介したい。現在ヤフオクにも20歳作が出ているが、人気では19歳作には遥かに及ばないようだ。口絵写真は、最近入手した20歳作の表情である。

Eitaro_20sai_2men

こちらが今回の20歳英太郎である。大きさは8寸2分。頭がやや縦に長く、初期の英太郎としては珍しいのではないか。そのため眉と目の間隔がかなり開いている。面描の筆致は細いが切れがあり、かすかに笑みを浮かべて表情は清々しい。胴模様は得意の散らし梅で華やかである。

Eitaro_20sai_hikaku

初期の英太郎を3本並べてみた。左は19歳英太郎、中は20歳(千夜一夜(1)第603夜参照)、右は今回の20歳。中20歳は、頭の形や目の表情など19歳に近いが筆致が細くなっている。こうして見ると19歳から20歳への作行きの変化がよく分かる。この後、英太郎こけしは出来にかなり差が出てくるようになる。中20歳は水濡れが残念であるが初期英太郎の醍醐味を存分に味わえる3本である。

Eitaro_20sai_syomei

上記3本の署名である。直助三代目を目指した意気込みが筆致からも感じられる。

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コメント

このブログを拝見して、火曜日、仕事の合間に新地「木目」に行ってきました。
英太郎さん、奥様おられ、突然訪問した、初対面の私にじっくり色々な話をしてくださり、
帰りも外まで見送っていただき恐縮、感動しました。
秀一型花鳥模様のこけしを求めました、底の「八十才」の文字も力強くとてもうれしい1日となりました。

NT様
「木目」に行ってこられましたか!
それは良かったですね。
「木目」は敷居が高く入り難い感じがあるので、訪問者もそんなに多くはないのだと思います。
東京での個展を無事に終えて、英太郎さんも奥さんもさぞかし嬉しかったのでしょうね。
英太郎さんにはこれからもまだまだ頑張って、良いこけしを作って貰いたいものです。

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