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2019年12月

第403夜:源三郎こけしの不思議な縁(えにし)

Gensaburo_4hana_kao今年も大晦日前日を迎えた。昨年は好天であったが、今年は雨日となってしまった。本ブログもこの403夜で今年を締めくくることにしよう。今年は327夜からスタートしたので、この一年で76夜分を加えたことになる。さて、今年最後は日下源三郎のこけしで締めることにしよう。先日ヤフオクで源三郎のこけしを入手した。既に持っている源三郎こけし(千夜一夜1第617夜)とは異なる胴模様が興味を持ったのである。そのこけしが家に届き、暫く眺めていたのだが、それとは関係なく最近入手こけしを入れてある段ボール箱を覗くと、今回入手した源三郎こけしによく似たこけしが目に入った。それは二月ほど前に10本纏めて入手した中の1本であった。胴底の署名をみると小林清とある。清さんが源三郎型のこけしを作っているとは思いも寄らなかった。またまた「こけしがこけしを呼ぶ」というこけし界の不思議な縁に遭遇したのかも知れない。口絵写真は、源三郎こけしの表情である。

 

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第402夜:今年最後の産地巡り

Syogo_ryosuke_kao 19日から一泊で鳴子に行ってきた。今年こけしを作って頂いた工人さんに年末の挨拶を兼ねて、こけし制作のお願いである。これまで鳴子へは日帰りで行くことが多かったが、駅近くに大江戸温泉物語の「ますや」が開業してからは単身でも泊りでの訪問が楽になった。鳴子に行ったからにはやはり温泉にゆったりと浸かりたいものである。初日は午後に鳴子着、大沼秀雄・秀顕さんの所に寄って挨拶をしてから正吾さん宅へ送ってもらう。2日目は先ず大沼秀則さん宅に行き、そこから柿澤是伸さんの工房へ。さらに松田大弘さんのお店へと足を延ばす。その後、こけし館へ行くつもりが、気が付いたら外は雪が舞っていた。仕方なく、こけし館を諦め大弘さんに駅まで送って貰い、蕎麦で遅めの昼食をとった。口絵写真は、正吾作、福田良助写しの表情である。

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第401夜:大弘さんの庸吉写し

Tomohiro_yokiti_utushi_yokokao 鳴子系のこけしには特に力を入れている国恵志堂の中でも鈴木庸吉のこけしは別格である。庸吉のこけしは残存数が少なく、入手難のこけしの一つである。これまで、石原日出男、小島長治郎、岸正規、菅原和平の各工人等により庸吉こけしの復元がなされており、特に岸正規さんは庸吉型に心血を注いで庸吉に肉薄する作品を残している。しかし、岸さんは庸吉とは別系列(金太郎系列)であってやはり限界はあったであろう。幸八系列の直系である松田忠雄さんの息子の大弘さんは平成生れのニューフェイス。こけし作りを始めてから未だ3年程であるが、一作毎に腕上げ瑞々しいこけしを作っている。国恵所蔵の庸吉を持って鳴子に向かい、その写しを大弘さんに頼んだのは新緑が眩しい今年5月のこと。紅葉の賑わいも一段落した11月、大弘さんからこけしが届いたので紹介しよう。口絵写真は、斜め上から見た庸吉写しの表情である。

 

 

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第400夜:佐藤誠次のこけし(2)

Seiji_s19_kao 今年も残り半月というところで400夜に達した。更新のペースは鈍っているが、今は続けることが大事と思っている。さて、先日、ヤフオクで佐藤誠次のこけしを入手した。荒川洋一の亥一型などと4本セットの中に入っていた。誠次のこけしも多くは無く、珍しいこけしの部類に入るであろう。ちょうど1年前の12月のヤフオクで入手した10本セットの中にも誠次(戦前作)が入っており、今回改めて並べて比較してみた。誠次のこけしに関しては、戦後作を千夜一夜(1)の第342夜で紹介しているが、今回の2本はそれとは趣が異なるものであった。口絵写真は戦前誠次の表情である。

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第399夜:友の会12月例会(R1年)

1912reikai_rika 昨9日、令和元年最後の東京こけし友の会の例会があった。このところの寒さも少し和らいだ好天の中、54名の方々が参集された。12月は新品の頒布はなかったが、今年頒布されたこけしの数々が並び、買い漏れた方々には嬉しい頒布であった、また、「たつみ」で頒布された優品の蔵出しこけしが3種出品され、橋本正明相談役、鈴木副会長の詳細な解説もあって大好評であった。吉田元会長による黒くなったこけしに纏わる楽しい話、古品を含む入札や抽選と中古品の頒布も盛況であった。第二部は、目黒幹事によるみちのくこけしまつりの審査報告があり、その後出席者が3グループに分かれての懇談会に移り、例会活性化のための貴重な提言などがあった。最後に今年最後のジャンケン大会で大寸こけしを贈呈して散会となった。口絵写真は筆者が受け取った小松里佳工人のおみやげこけしで、異常に長い頭がなかなか面白い。

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第398夜:福寿達磨とピアス

Fukujyu_daruma_genga 国恵志堂のコレクションの原点は遊佐福寿さんなので、福寿作のものは何でも集めている。先月、ヤフオクに達磨の顔を描いた福寿こけしが出品されたので迷わず入手した。現物が届いて、改めてじっくりと眺めていると、達磨には耳が描かれており、そこには何と金色のピアスが付けられていたのである。そこで、ネットで達磨大師の画像を探して見ると、確かに環状のピアスをしているではないか…(口絵参照)。福寿さんがソニー頒布で達磨を作ることになった折、今まで作っていた達磨とは違ったものを作ろうと考えたのだが、それを知った愛好家から達磨の絵や写真が載った本が沢山送られてきたと言っていた。それらを参考にして、忠実にピアスまで描いたのであろう。口絵写真は達磨大師の画像である。

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