第411夜:蔦文男のこけし
横浜沖に停泊中の超大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から、新型コロナウィルスに感染した乗客が10名見つかり、感染の広がりが懸念されている。さて、最近ヤフオクにはこけしが纏めて出品されることも多く、中に欲しいこけしがあると一括して入手することになる。そうしたこけしの中に思いもかけず面白いこけしが見つかったりすると、何か得をしたよう気持ちになる。第403夜で紹介した小林清さんの源三郎型もそんな1本であった。先日、暫く前に纏めて入手したこけしを整理していて、保存の良い蔦文男のこけしが目に入った。暫く眺めていると同じようなこけしがあったような気がして来た。それは1年程前に入手した蔦作蔵のこけし(第338夜で紹介)であった。今回はその文男のこけしを紹介する。口絵写真はその表情である。
こちらが、その文男のこけしである。大きさは6寸2分。文男は蔦作蔵の長男で昭和19年の生まれ。昭和31年から描彩を、34年からは木地挽きを義兄の衛から習ったとKokeshi wikiに掲載されているが、そのこけしについては衛のこけしを忠実に継いだものとのことで詳細は載っていない。従って、本作のような作蔵型がいつ作られたものなのかも分からない。現在は小野川温泉の土産店つたやで木地玩具を作っており、伝統こけしは作っていない。
作蔵のこけし(右)と並べてみた。作蔵のこけし(昭和初期)は6寸で若干小さめであるが、文男のこけしはほぼ同様の様式であり、この手の作蔵こけしをお手本にして作られたものであろう。文男のこけしは作蔵を良く写してはいるが筆が固く形式的な感じがするのは否めない。しかし小野川温泉のこけしとしては特色のあるものであり、現在作られていないのは残念である。
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