« 第413夜:迫力の伊之助こけし | トップページ | 第415夜:昭二の岩蔵型の軌跡 »

第414夜:シネコン「八甲田山」と津軽こけし

Tetunori_sakai_kao 昨11日(祝)夕刻より、渋谷Bunkamuraオーチャードホールにてシネマ・コンサート2020「八甲田山」を鑑賞してきた。このシネマ・コンサートは映画の「八甲田山」をオーケストラの演奏で上映するものであった。この「八甲田山」という映画は筆者の最も好きな映画で、色々と縁深いものでもある。「八甲田山」は作家新田次郎原作の「八甲田山死の彷徨」を映画化したものであるが、大学の先輩でもある新田次郎は山岳小説を得意とした作家で、筆者はその全集を今も書棚に並べているほど熱中した。「八甲田山…」は1971年に刊行されたもので、それは大学2年の時であった。その前年に筆者は自転車で東北地方を縦断しており、その計画の段階で明治35年厳冬の八甲田山中で起こった雪中行軍遭難の悲劇を知ることになった。その東北縦断自転車旅行が筆者のこけし収集の始まりでもあった。その「八甲田山…」が映画化されたのは1977年。過酷な現地撮影と大掛かりな宣伝もあって、映画「八甲田山」は空前の大ヒットとなり、筆者ももちろん、その雄大な画面と哀愁に満ちた音楽に酔いしれたのである。それから40年以上の月日が経ち、映画の画面はリメイクされ、それにオーケストラの演奏を付けたのが、このシネ・コンサート「八甲田山」である。昨年初演があり、今年はその再演ということであった。映画の中では主題の八甲田山のほかに津軽富士と呼ばれる岩木山もその秀麗な姿を現しており、こけしは奥瀬親子のものを取り上げてみた。口絵写真は鉄則の初期盛秀写しの顔である。

2002cinecon_panfu

シネコン「八甲田山」のパンフレット。16:15に開場、16:45よりトークショー、開演は17:00から。上映時間は2時間49分で途中に20分の休憩があった。指揮:粟田博文氏、演奏:東京交響楽団。トークショーのゲストは映画に出演した北大路欣也さんと秋吉久美子さん。映画撮影時から40年以上も経っており、北大路さんは相応の年齢を感じさせたが、最近はあまり見かけなくなった秋吉久美子さんは60を超えているはずなのに声には張りがあり一向に若々しさを失っておらず女優オーラは健在であった。

2002cinecon_kaijyo

開演前の会場風景。開演前でも場内の撮影は禁止ということで、この写真を撮った後に係の人から注意された。オーチャードホールはコンサートホールなので舞台の上にオーケストラの団員が並び、その後ろに映画の大画面が写されることになる。舞台手前に用意された赤い椅子に秋吉久美子さん(向かって左)と北大路欣也さん(同右)が座られてトーク・ショーが行われた。オーケストラの生演奏は流石に壮観! 筆者は画面よりもオーケストラの演奏を中心に鑑賞した。指揮の粟田氏は、画面とタイミングを合わせて立ちっぱなしで指揮棒を振ることになり、途中の休憩が無ければさぞ大変だろうと思われた。音楽は大満足であったが、映画の音声(特に人の声)は反響のせいか不鮮明なところが多々あり、そこだけがちょっと残念だった。

Tetunori_keisuke_sakai

こちらは、奥瀬鉄則、恵介親子の同型のこけし。鉄則は昭和60年5月の5寸9分(原寸)、恵介は平成16年8月の7寸。「原」こけしは初和初期の盛秀こけし。鉄則のこの型のこけしは数が少ないと聞かされた。「原」と比べると胴の括れが少なく、頭がやや小さい。鯨目のこけしであるが整った描彩であり、「原」の持っている土俗性は少ない。一方、恵介のこけしは未だ初めて間もない頃の作で木地挽きもおぼつかない。描彩もぎこちなく手慣れていない分、それが却ってグロテスクな味わいを感じさせて面白い。

« 第413夜:迫力の伊之助こけし | トップページ | 第415夜:昭二の岩蔵型の軌跡 »

津軽系」カテゴリの記事

写し」カテゴリの記事

その他」カテゴリの記事

全て」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 第413夜:迫力の伊之助こけし | トップページ | 第415夜:昭二の岩蔵型の軌跡 »

最近のトラックバック

2020年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ