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2020年3月

第426夜:不遇の忠こけし

Tadashi_s15_kao ヨーロッパとアメリカで爆発的な感染拡大を続けている新型コロナウィルスは、この週末は日本でも正念場を迎えており、桜満開の東京を始め各所で自粛の要請が広がっている。我々老人は自宅籠城を余儀なくされているので、国恵も最近滞りがちな本ブログの更新に勤しんでいる。未だ掲載されていないこけしを探し出し、その解説を付けるのである。今回は昨夜の忠市こけしとの繋がりから、師匠の父忠のこけしを取り上げることとした。このこけし、実は平成30年12月の「ひやね」こけし往来(第59集)の入札品に掲載されたもので、尺2寸という大きさと5万円という最低価で避けられてしまったのか応札が無かったらしく、その後「ひやね」店頭で目にしたことがあった。そのこけしが昨年12月に今度はヤフオクに出品され、価格も下がったので入手したものである。口絵写真はその忠こけしの表情である。

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第425夜:忠市の古作と70の桜

Cyuichi_okapa_kao 今日3月26日は、本来なら東京五輪の聖火リレーが福島から盛大に出発するはずであった。そんな記念すべき日は国恵(筆者)も70への門をくぐる日であった。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大は重大局面に差し掛かっていた。そんな中、今日はこけし手帖の校正作業のため、ほぼ一か月ぶりに電車で東京に出掛けた。折からのお花見日和に釣られ、校正が終わった後、靖国神社と千鳥ヶ淵まで足を延ばした。昨夜、小池都知事が自粛要請を出したこともあって、花見客は例年の半分位。開花状況は7分程度で露店も出ていないため賑やかな雰囲気はなく、静かなお花見となった。さて、先日ヤフオクで入手した秋山忠市のこけしが届いた。鳴子系では珍しいオカッパ頭、今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真はオカッパ忠市の表情である。

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第424夜:大沼誓のロマンの瞳

Sei_taisyo_2kawame_kao 新型コロナウィルスの感染拡大はパンデミックとなり終息の見通しはたっていない。日本は何とか踏み留まっているが、この3連休では桜開花に誘われて自粛ムードも緩んでいるようで、心配は尽きない。東京五輪の延期も現実味を帯びて来た。この時期、本来ならTVでのスポーツ中継が花盛りであろうに、現実は再放送で番組を補っている状態。我々高齢者は外出を控え自宅に籠っているため、TVを見るかヤフオクでのこけしの出品を楽しみにしている。そんな期待に応えるように古品を始め興味を惹かれる作品の出品が続いているのは嬉しい。今夜は、そんな中から見つけた大沼誓の二側目のこけしを取り上げてみたい。口絵写真は、その誓こけしの表情である。

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第423夜:皆川たみ子のこけし

Tamiko_s43_kao_20200320192401 鳴子の高橋盛は昭和14年1月に秋田県の工芸指導所に招かれ、以後昭和23年まで秋田で木地の指導を行った。昭和17年からは本荘の皆川元一、佐々木末治、象潟の佐々木久作、横手の子野日幸助が弟子となった。皆川たみ子は元一の妻で、昭和18年頃からこけしの描彩を行った。秋田時代の盛はこけしに署名はぜず、盛のこけしの描彩には、盛、きくゑ(盛妻)、たみ子が混在していて、その鑑別は難しい。この時期のたみ子の真作は昭和24年作の4寸が知られているだけである(kokeshi wikiより)。元一・たみ子が働いた由利木工所は昭和26年に倒産し、夫妻は製菓業に転職した。その後、昭和42年3月に、橋本正明氏が本荘に元一・たみ子夫妻を訪ね、福寿木地にたみ子描彩のこけしが出来上がり、たみ子の描彩が明らかになった。その後も、収集家の依頼により、たみ子描彩のこけしが作られた。今回、このたみ子描彩のこけしを入手したので紹介したい。口絵写真は、そのたみ子こけしの表情である。

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第422夜:金太郎系列の菊模様

Gohe_syoki_kao 小松五平の昭和一桁時代の作を入手して、その胴模様を見ていて気付いたことがあったので紹介したいと思う。五平は鳴子系の5つの系列の内、(高橋)金太郎系列に属する工人である。金太郎のこけしについては弟子の伊藤松三郎が憶えていて、小寸物を金太郎型として残しているが、それらは楓と牡丹の模様で菊模様は見かけない。文献等では、金太郎系列の胴模様に関して、「胴の菊には共通して茎が多く平行に描かれている」(こけし辞典)とある。また、こけし辞典では、小松五平を金太郎系列のタイプとしており、五平の古い時代のこけしには金太郎系列の特徴がかなり残っていると推測される。今夜は、その金太郎系列の菊の胴模様について考えてみたい。口絵写真は、昭和一桁台の五平こけしの表情である。

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第421夜:五平こけしの変遷(戦前)

Gohe_s10koro_kao 五平のこけしは好きなこけしであり、その各時期の作を集めてきたが、戦前の作品については昭和14,5年までの遡りで止まっていた。今回、昭和一桁の五平こけしを入手したことにより、戦前の五平こけしも本数が増え、その変遷を眺めることができるようになった。戦前の五平こけしの特徴についてはKokeshi wikiの五平の項で詳しく述べられているが、大元はこけし手帖72号の「大湯のこけし」(柴田長吉郎著)に従っている。今回は手持ちの戦前五平こけし5本を元に、この特徴を個々に検証していきたいと思う。口絵写真は、昭和10年頃の五平こけしの表情である。

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第420夜:五平のこけし(初期)

Gohe_syomatu_4sun_kao 新型コロナウィルスはあっという間に世界中に広がり、今や世の中自粛ムードに沈んでいる。感染が怖い我々高齢者はコロナが収まるのを自宅でひっそりと待つしかない。こうなると、もうネット・オークションでこけしを眺める時間が増えていく。そんな我々を楽しませるように古品が出品されて、締め切り間際には価格の競り合いで血圧も上がっていく…(苦笑)。先週末にはヤフオクに保存状態の良い古品が十数点出品され、国恵も参戦していた。ところが、今回は相当の高値で応札する御仁が参戦してきて目ぼしいものを殆ど持って行ってしまった。国恵は何とか欲しかった五平2本を入手できたが、これは締め切り時間の関係で、その御仁が参加されなかったというラッキーな面もあった。さて、今夜は、その2本の五平こけしを紹介したい。口絵写真は、小寸(4寸)五平の表情である。

 

 

 

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第419夜:正司さんの「写楽」写し

Masashi_syaraku_yokokao 新型コロナウィルスは拡散状況にあり、今日から日本中の殆どの学校で一斉休校に入った。ここ二週間の頑張りで沈静化を祈りたい。さて、こけし界の先達には粋な方々が多く、特徴的なこけしには綽名を付けて楽しんでいた。山形の小林吉太郎のこけしには、「写楽」という名物こけしが存在する。「原」こけしは植木昭夫氏所蔵の正末昭初の尺3寸の大こけしであり、その柳眉逆立つ表情が浮世絵師「写楽」の描く大首絵に似ているところから付けられたようだ。このようなこけしは復元の対象となり後継の工人によって写しが作られている。「写楽」については小林清次郎の写しが「こけし 古作と写し展」用に作られた。今夜紹介する「写楽」写しは長谷川正司さんのもの。口絵写真はその表情である。

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