第428夜:33年7月の伝喜こけし
新型コロナウィルスの影響で、こけしに関する行事も全く無くなってしまった。家に籠って自粛している老人コレクターにとってはヤフオクの出品こけしを眺め、時折参戦するのが唯一の楽しみになっている。今夜は、先週纏めて入手したこけしの中に入っていた佐藤伝喜のこけしを紹介しよう。伝喜のこけし(戦後)と言えば、昭和33年の作が有名で、中でも6月の復活作が評価も高い。国恵も好きなこけしの一つで、本ブログでも94夜と369夜で紹介している。伝喜の33年のこけしは、6月のほか、7月、11月、12月にも頒布しているようだ。今夜のこけしは胴底の署名から7月のもの。6月作との違いを見て頂ければと思う。口絵写真は、7月作の表情である。
こちらが、伝喜33年7月作の全体像である。大きさは6寸。程良く丸い頭にちょっと太いかなと思われる胴、愛らしい一品である。胴中央部を赤主体のロクロ線で締め、その上部には旭菊、下部には正面菊を描いている。
6月作(左2本)と比べてみよう。左は頭がやや角張って大きく胴は直胴で太め、真ん中は頭が横長気味となり胴は細目になって中央部がやや括れている。右は頭が少し小さくなって胴は直胴に戻った。胴模様の基本様式は同じであるが、下部の模様がロクロ線、旭菊、正面菊とそろぞれ異なるのが面白い。3本の中での違いは赤い鬢飾りの本数で、左2本の6月作では5本、右の7月作では4本となっている。また、7月作では紫ベレー下の頭髪の描き初めが後方になっている。
3本の顔の表情を見てみよう。目は左では大きく明敏だが、真ん中では上瞼が平らで控え目な表情となり、右では更に上瞼が小さくなって可憐な雰囲気を醸し出している。また、紫ベレー下の緑の半円形の飾りは左では2個がはっきり描かれているが、真ん中では中央寄りの1つが小さくなり、右では1個になってしまった。手馴れるにつれて、描彩にも省略が出てきているのが窺われる。
最後に、胴底の署名を示しておく。
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