第436夜:こけし界の二刀流(奈良吉弥)
日本全体の自粛体制の中、こけし産地もすっかり落ち込んでしまったようだ。一日も早いコロナの終息を願って、「お百度参り」ではないが、緊急事態宣言の終了日(5/6)まで本ブログの更新を毎日続けたいものである。さて、昨夜の木地山こけしの繋がりで今夜は奈良吉弥を選んだ。大湯温泉の奈良吉弥は当初新型こけしの木地を挽いていたが、昭和37年に仙台の鈴木昭二と知り合ったことから、鈴木清・昭二の弟子となって本格的に木地修業を行った。3年半の後、大湯温泉に戻って地元の木地山系に倣ったこけしを作り始めた。その後、大湯温泉の小松五平の木地も挽き、昭和43年に五平が中風で倒れてからは鳴子系の五平型のこけしも作り始めた。それから僅か3年後の昭和46年に交通事故で早逝したのが何とも惜しまれる。(現時点では、五平型のこけしが手元に無いので、木地山系のみの紹介となるので悪しからず)。口絵写真は木地山系の表情である。
こちらが、奈良吉弥の木地山系こけしである。師匠は木地山系ではないが、こけしは木地山系に入るようだ。大きさは6寸。頭と胴は太く、木地山の小椋久四郎・久太郎家の木地形態に近い。面描は小椋泰一郎を模しており、胴模様は久四郎・久太郎の前垂れに菊模様を描いている。木地山系の代表的な様式を合わせたような描彩で、木地山一般型の範疇に入るものだろう。kokeshi wikiには、昭和46年の作例が載っているので、亡くなるまでこの木地山系と鳴子系のこけしを作っていたことが分かる。
なお、師匠は鈴木清・昭二なので、胞吉型も作れば三刀流にも成りえた訳で、早く亡くなってしまったのが返す返すも残念なことであった。
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