第441夜:この箱は何…?
緊急事態宣言の期間中(5/6まで)は、毎日本ブログの更新を続けようと勇んでいたが、早くも題材に事欠くことになってしまった。そこで少し視点を変えてみることにした。今夜の口絵写真は宅急便の箱が1つだけ。さて、中には何が入っているでしょうか? こけしを集めていて、その保存で苦労することは多々ある。最たるものは保存場所であろう。専用のこけし部屋はコレクターの憧れであるが実現はなかなか難しい。本棚のような棚に並べて飾るくらいが良いとこで、残るものは段ボール箱などに入れて押し入れに仕舞ったり、場所がなければ部屋の片隅に積まれていたりする。しかし、一旦箱詰めするとそのまま長期間置かれることも多く、それが取り返しのつかない事態になってしまう恐れも多い。今夜はそんな話である。
さて、肝心の箱の中であるが、このようにこけしが入っていた。こけしは東京こけし友の会の例会で頒布される「おみやげこけし」である。このおみやげこけしは昭和57年から始まったもので、昨年までで38年となり、毎月1本(1月は2本、8月はお休み)で450本余りになっている。
ひと箱には4年分が入っており、年月とともに箱は増えていき、このような状態で机の上の棚に積まれていた。おみやげこけしは入手後は1年位は並べているが、その後は箱にしまわれてそのままになっていることが多い。蓋のある箱に入れて積んであるので安心していたのが失敗であった。数日前に、ひょっとしたことで箱を覗くと、埃でうっすらと白くなっているのを見つけた。箱に蓋はあったものの隙間から混入したのであろう。急いで他の箱も調べてみると…
何と! 大切なこけしに大きなシミがついているではないか… 最初の頃のおみやげこけしが集中的にやられてしまった。同じように箱に入れていても様々な条件によってカビが生え、それがシミになってしまったのであろう。こまめに箱の中をチェックし手入れをしておけば良かったと後悔したが後の祭り…
また、シミではないが色が薄くなってせっかくの描彩が寂しくなってしまったものもあり、これも残念なことであった。シミにしろ退色にしろ、また日焼けによる黒ずみにしろ、一旦なってしまうと元には戻らない。こけしの保管には十分注意しなければならないということを思い知らされたことであった。
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いつも楽しみに拝見しています。コレクションの保存には凄く気を使いますね~ 特に古品の場合はどのように保存されているのでしょうか? シミや退色こけしを見ると申し訳ないやら・・残念やらで・・憂鬱な気分になりますね~ 私の場合は軽く薄紙に包んで箱に入れて保存しています。入手して一か月は飾っていますが・・こけし棚いっぱいに飾る方のコレクションを拝見すると退色が進んでしまって残念に思う時があります。また、ビニールに入れて保存すると絶対だめですね・・人間でも窒息しますからね~ これだと云う保存方法を会でもご紹介して欲しいですね~
投稿: こけし好き | 2020年5月 6日 (水) 00時49分
こけし好き様
一番大事なのは「こまめに手入れをする」ことかなと思います。こけしを眺めるために保管場所から出して棚などに並べて置くことは多いですが、長時間そのままにしてしまうことがママあります。知らず知らずの内に光が当たったり埃を被ったりして、気が付いた時には色が薄くなったり、シミが出てきたりして取り返しの付かないことになってしまう。結局、自分が悪いのですが後悔して暫くは落ち込んでしまいます。保管場所としては、日が当たらず、温度、湿度の変化が少ない場所が良いようです。私の自宅はマンションなのですが、昨年は窓に近い場所に箱に入れて置いておいたものがかなりカビにやられてしまいました。そこは前から置いてあったのですが昨年は特に湿気が多かったのが原因のようです。外部に直接接していない部屋の扉の付いた棚の中に保管してあるものが一番状態は良いようです。そして、こまめに取り出して柔らかい布などで拭いてあげるのも大事ですね。
投稿: 国恵 | 2020年5月 6日 (水) 09時36分