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今日の東京のコロナ新規感染者は8人となり、ようやく関東一都三県と北海道の緊急事態宣言も解除されることになった。だからと言って急に自粛体制が無くなる訳でもなく、コロナ禍以前の生活への復帰は難しいが、それでもヤレヤレ一段落といった明るい気持ちにはなる。さて、鳴子の松田大弘さんにお願いしていた戦前民之助の写しが送られてきた。大弘さんは未だ高々3年ほどの製作歴であるが、進境著しく魅力溢れるこけしを作っている。前回(第401夜)は庸吉型を作って貰ったが、庸吉の「はかなげで恥じらいのある愛らしさ」とは全く対照的な民之助の「キョトンとあどけない愛らしさ」を見事に再現してくれた。今夜は、その民之助写しを紹介したい。口絵写真は、やや斜め上から見た民之助写しの表情である。
国恵は今でこそ古品にも手を出しているが、こけしを集め始めた昭和40年代後半から50年代にかけては古品は骨董品のように特別なものという感じで見ており、もっぱら新品こけしを中心に収集を行っていた。当時の新品では復元こけしが沢山作られており、こけしの文献などを参考にその手のこけしを選んでいた。土湯系では、陳野原和紀さんが鹿間時夫氏の勧めで佐久間粂松型に挑戦しており、小さなものから大きなものまで各種の粂松型を作っていた。価格も手頃だったので、主要な粂松型はあらかた手に入れていた。その中から、今夜は陳野原さんの小寸2本と渡辺和夫さんとで3本セットにしてみた。口絵写真は、その3本を上から見たところである。
週末で検査数が少ないという事情はあるにせよ、昨日のコロナ感染者は東京で5人、大阪では0になったという。日本人の努力が報われてきた成果が感じられ、この減少状態が続くことを期待したい。さて、昨夜の続きで今夜は土湯系の小寸こけしセットとして、佐久間芳雄のこけしを取り上げた。由吉ー芳衛ー芳雄ー俊雄と続く湊屋直系の工人の中では、評価も人気も今一つと言ったところかも知れない。由吉のような本格的な品位には及ばず、俊雄のようなバラエティさでコレクターを喜ばせるということもない。しかし、木地技術に優れた芳雄は傘冠りや入れ子こけしなどの手の込んだ細工物も盛んに作り、湊屋本来の深い赤とは違う明るい赤を主体にした緻密なロクロ線で玩具っぽいこけしを作った。そんな芳雄には小寸こけしが適しており、今夜紹介する3本組の愛らしさは格別である。口絵写真は芳雄の3本セットを上から見たものである。
日本人の生真面目さと従順さ、それに夏を思わせる暑さも手伝ってか、新型コロナウィルスの新規感染者は減少に転じ、緊急事態宣言も39県で解除されて、自粛していた人々にも動きがみられるようになり、全体的に気持ちの緩みは否定できない。願わくば2週間後も新規感染者が増えないように…。本ブログの連日更新も一段落して、新しいネタを探すべく戸棚の中を物色していると、小寸こけしには土湯系が多いことに気が付いた。理由は色々とあるのかも知れないが、それらの小寸こけしを単体ではなくセットとして見るとまた楽しいものである。今夜はその小寸こけしの中から太田精二工人のこけしを取り上げることにした。精二さんは渡辺和夫さんの弟子で湊屋系列の工人、腕の良い工人でいわき市湯本でこけしを作っているが、大正15年生まれということは90歳台半ばであり、もう作っていないかも知れない。口絵写真は小寸3点(坊主・髷・傘)の頭頂部である。
ここ5日、東京のコロナ感染者は40人を割っている。緊急事態宣言による自粛の効果が出てきているようだ。まだまだとても安心は出来ないが、先行きに明かりが見え始めたと感じられる。ヤフオクには毎日、種々のこけしが出品され、自宅に籠っている我々にとっては有難いことだ。古品以外にも中古で保存の良い良品も纏めて出品され、安価に入手できこともある。既に持っているものを状態の良いものと入れ替えることも出来る。今夜紹介するのは野地忠男さんのこけし。普段見かける野地こけしとはかなり雰囲気の違うものだったので、調べてみると初期のものらしい。入札は2人しかおらず、安価に落札できたのはラッキーだった。口絵写真はそのこけしの表情である。
昨日でGWも終わり、緊急事態宣言も終了する予定であったが、コロナ感染の減少はそこまで至らず、今月末までの延長となった。まだまだ我慢と忍耐の自粛生活が続く…。さて、鳴子の桜井昭二さんと言えば、大沼岩蔵こけし継承の第一人者として誰しもが認める著名工人であるが、岩蔵型以外にも庄司永吉型を始め父母の万之丞・コウ型ほか各種のこけしを作っている。伯父である甚四郎の型もその一つである。甚四郎のこけしは、鳴子時代、北海道(洞爺湖)時代のものが残っているがその数は少なく、昭二さんが作る甚四郎型も他の型のこけしに比べると多くはない。国恵もこれまで昭二さんの甚四郎型を何本か所有したが1本を残すのみとなっていた。そんな中、ヤフオクで久しぶりに欲しいと思う甚四郎型に出会った。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。
先日のヤフオクにあどけない表情が何とも気になるこけしが出ていた。鳴子の大沼秀雄さんのこけしである。秀雄さんは今年2月で90歳となった。こけし作りは辞めているが、鳴子では高橋正吾さんに次いでの長老であり、昔の話も色々聞けるので有難い。「こけし 美と系譜」掲載の秀雄さんのこけしは初期のものであり、それが国恵のこけし収集の原点の一つであることは度々述べてきたことである。そのため、初期秀雄こけしは常に注目して追及してきた。先日のヤフオクにはその秀雄さんの初期こけしが2点(1点はひやね出品で締め切りは後ろ)出ていた。2点とも初期こけしの範疇に入るものであるが、国恵が目を付けていたのは「最初期」のもので、こちらは締め切り日が早かった。ひやね出品作は最初期よりは少し後のもの。両者の違いについても解説しよう。口絵写真は今回入手の最初期秀雄こけしの表情である。
先月の20日から続けていた本ブログの毎日更新は一昨日に13日間で止まってしまった。緊急事態宣言が今月末まで延長されるとの話で息切れをしてしまったのである。今日からまた改めて更新を始めるが毎日とはならないのでご了承を…。さて、国恵は入れ子こけしなどの細工物も好きでありコレクションアイテムの一つとして関心を持っている。佐藤春二はドテラの着物を着た子持ち(入れ子)のこけしを種々作っており、第926夜でその一つを紹介した。今夜は、そんな春二の子持ちこけしの内、太胴のものを紹介しようと思う。口絵写真は、中に入っている可愛い子こけしである。
今日から5月である。この時期、普通なら五月晴れの青空に五色の鯉のぼりがはためき、華やいだ雰囲気に包まれる。そんなのどかな情景は年明けから広がり始めた新型コロナウィルスによって一変してしまった。昨日、一昨日と50を切った東京の新規感染者数は再び150を超え、6日までの緊急事態宣言の延長が決まったようだ。さて、こけしの話に移ろう。南部系の照井音治のこけしは盛んに作った時期が短かったため残るものが少なく、こけし市場にもなかなか出てこない。国恵志堂には1本あり、第50夜で紹介した。その音治は晩年と思われ、筆力も弱くなっていた。そんな音治の盛事のこけしを昨年ヤフオクで入手したが、本ブログでの紹介が未だだったので改めて紹介しよう。口絵写真は、その表情である。
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