第467夜:末吉の円らな瞳
東京では連日200~300人の新型コロナ感染者が出ているのに、これといった有効な対策は講じられず、個々人による3密自粛に委ねられていることにもどかしさを感じる人は多いであろう。感染すると重症化が懸念される我々高齢者は、ひたすら自宅でコロナ禍を避けているしかない。本ブログの更新も日が空いてしまったが、気を取り直して頑張ろう! 花巻の佐藤末吉のこけしは結構好きなこけしの一つである。南部系の土地柄ということもあってか、形態にはキナキナの様式も取り入れられ、南部系と鳴子系の折衷こけしという雰囲気もある。末吉のこけしは目が大きいものが多いのだが、戦前の昭和15年頃の目は、その無垢で円らな瞳が何とも愛らしく、欲しいこけしであった。先日のヤフオクでそんな末吉を入手したので紹介したい。口絵写真はその表情である。
こちらが末吉のこけしである。大きさは5寸2分。kokeshi wikiに掲載されている日本こけし館所蔵(深沢コレクション)の末吉こけしと同手で、本作も昭和15年の作であろう。末吉の鳴子型のこけしは頭が小さく胴が鉛筆にように細いのが大きな特徴で、本作では頭の嵌め込みもキナキナ仕様の緩い嵌め込みになっており振るとクラクラと動く。wikiiの2本の末吉こけしでは胴の菱菊模様が2種類あるようで、本作は上の横菊はwikiiの左、下の正面菊はwikiiの右こけしと同じになっている。wikiiの2本は同時期とのことなので、胴模様には混在があったのであろう。wikiiの2本も本作も緑色が飛んでしまっているのが何とも惜しい。
さて、本作の前後の時期と思われ末吉こけしと並べてみた。右は昭和14年頃、左は16,7年頃か。右こけしでは眼点も未だあまり大きくなく、師匠の伊藤松三郎の表情を彷彿させる。一方、左のこけしでは眼点は本作と同じように大きいが、目が中央に寄ったせいもあってか固い型にはまった表情になっており、味わいが薄くなってしまっている。
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