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第468夜:精助のこけし(2)

Sesuke_s15_kao 弥治郎の高橋精助のこけしは、その辛口な表情と豪快な姿が気に入っている。しかし、精助のこけしは昭和14年に復活する以前のこけしは殆ど残っておらず、復活後16年までの3年間に作ったこけしも数はあまり多くはない。以前に入手した精助こけし(鈴木鼓堂旧蔵)は6寸強の大きさであるが、その存在感は大寸物にも指摘するほどである。今回ヤフオクで入手した精助もそれとさほど変わらない大きさであるが姿はやさしい。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。

Sesuke_s15_2men

こちらがそのこけしである。大きさは5寸7分、作り付けのペッケである。胴底には「セキ 高橋精助 昭和十五年」の墨書きがある。この時期(昭和14年~16年)、七ヶ宿には佐藤誠が開いた佐藤木工所関分工場があり、精助の息子の精志が責任者として滞在していた。その折に、精志が木地を挽き、それに精助が描彩したこけしが作られていた。本作もそうして作られたものであろう。精志の精助型こけしの木地は頭、胴とも太目でどっしりとした形態が多いが、本作は極一般的な弥治郎のペッケの形になっているのは却って珍しい。頭頂部のベレーは中央から赤、緑、紫となりその下に黒で短い髪を描いている。表情は鋭いが眉・目の線の鋭角的なアクセントは目立たない。鬢の後ろには耳を描いているのも珍しい。

Sesuke_s15_hikaku

以前入手の精助(右:昭和14年9月)と並べてみた。右のこけしはいかにも精助という風格を持ったこけしである。それに比べると本作の形はおとなしい。逆に言えば弥治郎本来の形と言えるかも知れない。

Sesuke_s15_atama_hikaku Sesuke_s15_soko_hikaku

頭頂部のベレー模様と胴底の署名である。右こけしには鉋の4っ爪跡があるが、本作(左)は爪跡は無く、鋸引きのようである。


精助と言えばやはり大寸物が欲しいものだ。以前、著名コレクターから大寸精助を譲ってもよいという話があったのだが、先客と話が進んでおり、結局その先客の所に行ってしまった。まだ、縁が無かったということだろう。

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