第470夜:秀顯さんの竹雄古作写し
8月になり梅雨も明けてコロナ禍の中、猛暑も加わって厳しい自粛生活が続いている。こけしのイベントも無く、産地にも行けず、大沼秀顯さんには名古屋こけし会頒布の参考のための岩太郎と竹雄の古作3本を預けておいた。今回名古屋の頒布が終わったので、岩太郎が戻ってきた。また、預けておいた竹雄こけしの内、小寸物とその写しの試作が送られてきた。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真は、その表情である。
こちらに「原」(右)と写し(左)を並べてみた。「原」こけしは、橘旧蔵品で昭和5年のもの(第434夜参照)。竹雄草書体時代の作である。この時期のものは目尻(特に右目)がかなり下がっており、視線も右目と左目とで違う方向に向いている。また、鼻と口も大きく、ややグロテスクで怪奇な雰囲気を持った表情をしている。秀顯さんの写しは、木地形態、表情、胴模様とも「原」を良く捉えているが、流石に竹雄の異様さまでは届かず、整った感じのこけしに仕上げている。
改めて、両者の表情の違いを見比べて頂きたい。写しの秀顯こけしの視線は正面を向いているが、竹雄のこけしは右方向を向いている。
« 第469夜:秀顯さんの岩太郎写し(名古屋こけし会頒布) | トップページ | 第471夜:こけし界の二刀流(奈良吉弥2) »
「鳴子系」カテゴリの記事
- 第567夜:「国恵志堂ブックス」別冊『福寿物語1』配本(2022.03.16)
- 第559夜:2022年元旦(髙勘古作)(2022.01.01)
- 第551夜:久し振りの友の会例会(R3年11月)(2021.11.29)
- 第550夜:力さんの大正期誓型(2021.11.11)
- 第549夜:清一のエジコ(2021.11.05)
「古品」カテゴリの記事
- 第572夜:栄五郎の逸品!(2022.05.14)
- 第569夜:折り紙付きのこけし(吉太郎)(2022.03.23)
- 第566夜:佐藤孝之助のこけし(2022.02.25)
- 第562夜:盛秀の初期こけし(2022.02.01)
- 第561夜:盛秀の開き目こけし(2022.01.31)
「写し」カテゴリの記事
- 第571夜:半澤工人の亥一型(2022.04.19)
- 第570夜:政弘さんの松之進写し(2022.04.01)
- 第565夜:北山賢一の久四郎型2本(2022.02.24)
- 第563夜:高橋精志の精助型(2)(2022.02.03)
- 第560夜:高橋仲代のこけし(2022.01.10)
「小寸こけし」カテゴリの記事
- 第545夜:佳樹さんの伊太郎型(2021.10.16)
- 第530夜:久し振りの直美さん(2021.05.28)
- 第522夜:豆こけしの玉手箱(8)(2021.04.04)
- 第521夜:豆こけしの玉手箱(7)(2021.04.03)
- 第520夜:豆こけしの玉手箱(6)(2021.04.01)
「国恵志堂特注」カテゴリの記事
- 第557夜:「国恵志堂ブックス」第4回配本(2021.12.27)
- 第546夜:大沼誓の追悼こけし(2021.10.22)
- 第543夜:「国恵志堂ブックス」第3回配本!(2021.09.28)
- 第540夜:三春さんの近作(石蔵写し2)(2021.08.11)
- 第539夜:三春さんの近作(石蔵写し)(2021.08.09)
「全て」カテゴリの記事
- 第572夜:栄五郎の逸品!(2022.05.14)
- 第571夜:半澤工人の亥一型(2022.04.19)
- 第570夜:政弘さんの松之進写し(2022.04.01)
- 第569夜:折り紙付きのこけし(吉太郎)(2022.03.23)
- 第568夜:新山勝祥のこけし(2022.03.17)
« 第469夜:秀顯さんの岩太郎写し(名古屋こけし会頒布) | トップページ | 第471夜:こけし界の二刀流(奈良吉弥2) »
コメント