第476夜:初期こけしの魅力(岡崎幾雄)
今日から9月が始まった。新型コロナウィルスの新規感染者は横ばいからやや減少傾向にあるようだが安心は出来ない。安倍総理がまさかの辞職となり新総理選出の手続きが始まったが、棚ボタで菅官房長官が選ばれそうな状況はいかにも自民党的だ。さて、国恵は決して初物コレクターではないが注目している工人の初期のこけしで、しかも昭和20年代のものとなればやはり手元で見てみたい衝動にかられる。そんなことから最近ヤフオクで入手した岡崎幾雄さんの初期のこけしを紹介したい。口絵写真はその表情である。
こちらがそのこけしである。大きさは7寸2分。胴底には「昭和28.10.4 備後屋 18才」の鉛筆での書き込みと「ひさまつ」の印を黒く塗り潰した跡があり、出品解説では「久松旧蔵品(委託品)」とある。典型的な蔵王系のこけしで、やや曲がった長い鼻と円らな瞳が初々しいこけしである。幾雄さんの初期作に関しては29年作を、第4夜で紹介している。そこでの解説にもあるが、幾雄さんは昭和28年7月の山形県こけし会総会に自身のこけしを持参し、土橋・西田の両氏から激賞されたそうだ。それを機に一層こけし作りに精進したとのこと。本作が28年10月4日の記入があることから、土橋・西田氏の激賞を受けてから勇んで作ったもので備後屋で販売され久松氏の蔵品になったという推測ができる。こけしの胴底に書かれた記載から、そのこけしに纏わるストーリーを考えてみるのも楽しいものである。
第4夜で紹介のこけし(右8寸2分:29年5月23日)と並べてみた。ほぼ半年ほどの違いなので、頭部が黒頭と手絡の違いを除けば大きな違いは見られない。初期の作を黒頭と手絡で揃えられたのは嬉しい。
上の2本の胴底の署名と書き込みである。署名の書体が変わっているのが興味深い。
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