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第480夜:そして秋保こけしは・・・

Syo7_4sun_kao 胴上下に2本の太い緑のロクロ線を締め、頭には満艦飾を思わせる赤の細かい手絡模様を華麗に配した秋保のこけしは、こけし界随一の美人こけしとして輝きを放っていた。そんなこけしに憧れて秋保工芸の里を訪れたのは平成24年の7月、照りつける太陽が眩しい季節であった(第740夜)。こけしの名門菅原家は既に無く、山尾家も事前の問い合わせにこけしは作っていないということであった。秋保こけしとしては唯一残っていた佐藤円夫さんを訪ねた。お父さんである武雄さんの古いこけしを見てもらうためであった。佐藤三蔵ー武雄ー円夫と続いている佐藤家の秋保こけしも、今作られているものは現代風にアレンジされており昔日の面影は遥か彼方に行ってしまったようであった。その円夫さんも平成29年に亡くなり、今は息子の武直さんが後を継いでいるのであろうか。さて、先日ヤフオクで入手したのは菅原庄七の4寸こけし。小寸のこけしでありながら、その存在感は半端ではない。口絵写真は庄七小寸こけしの表情である。

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こちらが庄七のこけし。大きさは4寸の作り付け。昭和10年頃の作であろうか。眼点の大きな一側目、目の周りから頬にかけて薄っすらとピンクの頬紅が塗られていて、愛らしいことこの上ない。小寸ながら秋保こけしの特徴はしっかり備えており、一本だけ立てて見ると幼子ながら秋保こけしを代表して立っているようで何ともいじらしい。

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定寸物2本と一緒に並べて見た。両親とも思える大人のこけしに囲まれて、この小寸こけしは安心しているように見えて微笑ましい。美人の大寸こけしも可愛い小寸こけしもそれぞれに魅力溢れる秋保こけしは素晴らしい。秋保の古作こけしに真摯に取り組んでくれる若手工人が出てくることを切に期待している。

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