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2020年10月

第484夜:初作の魅力(大沼正人)

Masato_syosaku_kao 完成されたピーク期と言われる時期のこけしの魅力は言を待たないが、ある種それとは対極にある初期のこけしの魅力も侮れない。初作を作った時に入手するのは容易ではないため、中古品の中から探すことになる。「初作」の魅力は何かと問われれば、先ず第一に「初々しさ」と答えたい。木地修業に入り、やがてこけしを作ることになるが、木地にはぎこちなさが残り、描彩は稚拙でたどたどしいものである。しかし、そこには初めて自分のこけしを作ったと言う意気込みが感じられ、それが「初々しさ」として見る者の心に響くのである。さて、先週末に締め切りを迎えたヤフオクのワンコイン出品の中に18本の纏め出品があった。多くのこけしの纏め出品の場合、不要なものも送られてくるため敬遠する向きもあり、思わぬ掘り出し物に遭遇することもある。今回の出品こけしの中では大沼正人のこけしが気にかかった。正人は大沼健三郎の孫にあたり、健三郎の後継者として期待された工人であった。昭和58年(20歳)から木地修業・こけし製作を始めたとあるが、kokeshi wikiでも詳細な記載はない。こけしブームの終焉と共に転業してしまったようである。そこで、昭和時代のガイドブックを括ってみると、「伝統こけし 工人手帳」第4刷(昭和60年5月発行)に工人とこけしの写真が掲載されていた。それと比べて今回出品中の正人こけしは手慣れておらず、それらよりも前の作と推測して入札に参加した。流石に他にも応札者がありワンコインでの落札にはならなかったが、4コイン半ほどでの安価な落札となった。今夜はその正人こけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。

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第483夜:鉄則の幸兵衛型を遡る

Tetunori_kobe_roboteye_kao 国恵がこけし収集を始めた昭和40年代の後半、既に第二次こけしブームが盛り上がりを見せており、津軽系の盛秀太郎のこけしは雲の上の存在、その弟子の奥瀬鉄則のこけしも垂涎の的であった。しかし、こけし初心者にとって当時の盛秀/鉄則のこけしはコレクションにぜひ入れたいものであったのも事実であった。ようやく1本の鉄則こけしを入手するも、鉄則は色々な種類のこけしを作っており、渇望感は増すばかりであった。鉄則こけしには盛秀型と幸兵衛型の二種類があることを知り、幸兵衛型は盛秀型ほど人気は高くなく入手もし易いとの思いから、幸兵衛型を中心に鉄則こけしを集めることにした。幸兵衛型も集め出すと、数種類あることが分かり、更に年代変化もあることから次第に初期の幸兵衛型に目を向けるようになった。「盛秀一家のこけし辞典」などから、鉄則の最初期の幸兵衛型は通称「ロボット」と呼ばれる目の大きい愛らしいこけしであることが分かった。そのロボットは新型っぽい描彩のものであるが、人気が高く未だに入手するに至っていない。前置きが長くなったが、先日ヤフオクに、そのロボットによく似た目をした鉄則のこけしが出ていた。よく観察するとロボットではないが、手持ちの中では最も古い鉄則幸兵衛型とロボットの間にあたるこけしに見えてきた。そこで、急遽入札に参加すると価格は高騰することなく、ほぼ適正と思われる価格で手に入れることができた。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真は、その表情である。

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第482夜:ワンコインのこけし(哲郎)

Teturo_kitiya_kao 新型コロナの感染は相変わらず高止まりで推移しており油断は出来ない状態が続いている。Gotoキャンペーンにより相当安価に旅行や飲食が楽しめると分かっていても、高齢故に指をくわえて見ているだけなのは残念この上なしである。さて、時間に任せてヤフオクを覗いていると、ワンコイン以下で出品されているこけしが散見される。中には「おっ!」と思うようなものもあるが、殆ど応札が無いままに終了を迎えるものも多い。最近はそういう掘り出し物を殆ど出品価そのままで落札することも多い。今夜はつい先日入手した佐藤哲郎のこけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。

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第481夜:常吉が自ら・・・

Tunekiti_monpe_83kao 7月下旬のヤフオクで戦前のモンペこけしが出品され、モンペこけし好きな国恵は頑張って入手した。出品者にも確認して阿部常吉のこけしということであったが、一側目の常吉こけしは見たことが無く、疑問を残したまま、本ブログ(第473夜)で紹介した。その後も色々調べたが常吉作を確証できるようなものは見つからなかった。つい一週間ほど前、その常吉のモンペこけしがヤフオクに現れた。それはあたかも『そのモンペこけしは俺の木偶だ!』と常吉が自ら名乗り出てくれたようなものである。今回の出品者は前回とは別の方であり、二ヶ月ほどの間に戦前と戦後の常吉モンペこけしが出てきたのである。またしても「こけしがこけしを呼ぶ」という「こけしの縁(えにし)」を感じない訳にはいかない。口絵写真は、今回の常吉モンペこけしの表情である。

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